アンワル首相は7月29日、地方選挙を控えた中部ヌグリスンビラン州の集会で、ロヒンギャ難民の送還でミャンマーと「合意した」と発言した。国営ベルナマ通信が伝えた。具体的な道筋やその後も送還を続けるかには触れなかった。
迫害で130万人以上が国外へ
ロヒンギャはミャンマーの少数派イスラム教徒で、仏教徒が9割近くを占める同国で迫害を受けてきた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、現在は130万人以上が国外で避難生活を送る。イスラム教徒の多いマレーシアは長年、その主要な受け入れ先となってきた。2月末時点でUNHCRに難民登録されている約21万人のうち、ロヒンギャは最多の約12万人を占める。
国内で高まる難民への反感
マレーシアでは難民の受け入れ数増加に伴って、地元住民との摩擦も生じている。最近はSNSの影響もあり、ロヒンギャを含む難民への反感が高まっている。当局もロヒンギャ難民への取り締まりを強めており、7月末には保護を求めて首都クアラルンプールのUNHCR前に集まった100人以上を一時拘束した。
アンワル首相の発言は、国内で難民への反感が高まるなかで強硬対応を迫られた形だ。ミャンマーは国軍による2021年のクーデター以降、現地の人権状況が悪化していて、計画の中止を求める声も上がる。



