ナチス・ドイツの迫害から逃れてきたユダヤ人難民を救ったとされる外交官・根井三郎(1902~92年)の関連資料を集めた常設の展示室が9日、出身地の宮崎市佐土原町にある佐土原総合支所2階に誕生した。根井が信念に基づき難民を助けた功績について、経緯を詳しく解説している。
「命のバトンリレー」を解説
根井は旧佐土原町(現・宮崎市)出身。第2次大戦中の1941年、旧ソ連ウラジオストクの総領事代理としてユダヤ人難民にビザ(査証)を発給し、受け入れに否定的だった政府の指示に反して日本行きの連絡船に乗せたとされる。
ユダヤ人難民を巡っては、リトアニアの領事館に赴任し、後に「日本のシンドラー」とたたえられた杉原千畝(1900~86年)が「命のビザ」を発給したことが広く知られる。杉原のビザを持った難民がウラジオストクにたどり着き、現地の根井が対応を引き継いだ一連の救出劇は「命のバトンリレー」と呼ばれている。
資料47点を展示
今回開設した展示室は、2016年に発足した市民有志でつくる任意団体「根井三郎を顕彰する会」(宮崎市)が宮崎市から支所内の一室(広さ76平方メートル)を借り受け、収集してきた根井の関連資料47点を並べた。「命のバトンリレー」が起こった経緯を地図付きで解説するほか、根井の生涯をまとめた年譜や政府とのやり取りを示す電報の中身なども紹介している。
入場無料、土日祝も開場
入場無料。開場は午前10時~午後4時半で、当面は平日に加えて土日祝も来場者を受け入れる。顕彰する会の会長を務める根井翼さん(84)は「自分の身を省みず人道的な姿勢を貫いた気骨ある外交官の生き方を知ってほしい」と来場を呼びかけている。