京大化学研究所の100年を展示、ペロブスカイト太陽電池の研究も紹介
京大化学研の100年展示、ペロブスカイト太陽電池も紹介

京都大学の付置研究所である化学研究所(京都府宇治市)の創立100周年を記念し、同大学総合博物館(京都市左京区)で、実験装置や記録といったゆかりの品や写真など約100点が公開されている。

化学研究所の歩みと展示構成

化学研究所は1926年に国の研究所として創立され、1949年に京都大学の所属機関となった。1968年からは宇治キャンパスに移転し、現在は材料や生体機能など五つの研究系と、粒子のビームなど三つの研究センターがあり、教職員や学生ら計約500人が在籍している。

展示は、戦前・戦中の「創立期・黎明期」、戦後の「拡充期・発展期」、研究対象が広がった「現在・未来」の3区分で構成されている。

創立期から現在までの研究成果

「創立期・黎明期」では、日本に本格的な化学研究が導入された経緯を紹介。物資不足の中、後に日本初のノーベル化学賞を受賞した福井謙一氏が指導を受けた喜多源逸らが合成に成功した「人造石油」のサンプルや、国産初の化学繊維「ビニロン」を紡いだ実験装置などが並ぶ。また、80年以上前にいち早く海に化学分析の手法を取り入れ、世界を主導してきた「海洋化学」も紹介されている。

「拡充期・発展期」には、記録媒体として活用されてきた磁気テープやディスクの原料となる酸化鉄を開発・改良してきた試料などを展示。特に1992年にスーパーコンピューターを導入し、生命科学の情報を集約した世界最大級のデータベースを運用している経緯もパネルなどで紹介している。

ペロブスカイト太陽電池の最新研究

「現在・未来」では、若宮淳志教授らが手がける次世代の太陽光発電の中心となった「ペロブスカイト太陽電池」の最新の研究動向を解説。植物など自然界の仕組みを応用した新しいバイオ関連の技術や、機能性の高い分子など多様な用途を生み出す素材や分析手法といった基礎研究を取り上げている。

島川祐一所長は「日本の化学研究の礎を築いた当初から応用を重視して幅広い領域を手がけてきた歴史に触れ、次の100年にどのように貢献できるのかを感じてもらいたい」と話している。

展示は11月29日までで、月曜・火曜は休館。入場料は一般400円、大学生300円、高校生以下と府内の大学生は無料。