大阪でアライグマ被害が過去最悪、農業被害額8400万円超えに拡大
大阪でアライグマ被害が過去最悪、農業被害額8400万円超

大阪府でアライグマの農業被害が急増、過去最悪の8400万円超えに

大阪府内において、特定外来生物に指定されているアライグマによる農業被害が拡大を続けている。2024年度の被害額は8400万円を超え、過去最悪の水準に達した。近年では生息域が都市近郊にも広がっており、府は2026年度から、これまで防除計画の対象外だった大阪市域を含む対策の強化に着手する方針だ。

アライグマの侵入経路と被害の実態

北米原産のアライグマは、1970年代のテレビアニメの人気をきっかけにペットとして大量に輸入された。しかし、飼い主による遺棄が相次ぎ、野生化して全国で繁殖が進んだ。各地で農作物への被害が発生し、環境省は2005年に輸入や飼育を禁止する特定外来生物に指定した。

大阪府でもアライグマの生息数が増加し、捕獲頭数は右肩上がりで推移している。府が初めて防除計画を策定した2007年以降、捕獲頭数は着実に増え、2024年度には3811頭を記録。これは2016年度と比較して約2倍の数値となった。

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農作物への被害は特に深刻で、ブドウやスイカ、トウモロコシなどが食害に遭っている。府の担当者によれば、「アライグマは木登りが得意なため、侵入防止柵を設置していても被害が発生するケースがある」という。被害額の内訳では、アライグマによるものが4割以上を占め、シカやイノシシを上回る最大の被害要因となっている。

都市部への生息域拡大と新たな対策

アライグマの生息域は近年、都市部の大阪市域にも拡大している。住宅への侵入や天井裏での汚物、ゴミあさりの被害が報告されており、動物由来の感染症のリスクも懸念されている。府は、市街地の空き家や老朽化した建物が増え、アライグマがねぐらにしやすい環境が整っていることが一因と分析している。

被害の拡大を受け、府は2026年2月に防除計画の改定案をまとめた。これまで農地が少ない大阪市域は対象外だったが、新計画では府下全域をカバーし、鳥獣保護法に基づく許可なしでの迅速な捕獲が可能になる。改定案には以下の方針が盛り込まれている。

  • GPS発信器をアライグマの個体に取り付け、行動を科学的に分析して効率的な捕獲方法を検討する。
  • 動物由来の感染症に関する調査を、実施地域の範囲を拡大して行う。

府動物愛護畜産課の担当者は、「捕獲によって数を減らすことが最も効果的な対策だ。市街地に住む住民も他人事と思わず、不安があれば市区町村の窓口に相談してほしい」と訴えている。

ツキノワグマ対策も強化へ

有害鳥獣を巡っては、昨年秋に東北地方を中心にツキノワグマによる人身被害が相次いだ。大阪府内でも出没件数が増加しており、2021年度は5件だったが、2025年度は12月末現在で25件と前年度の13件から倍増している。

府は新年度当初予算案で、兵庫県や京都府に隣接する市町でのセンサーカメラを用いた生息状況調査に830万円を計上。また、国が導入した緊急銃猟制度に対応するため、ハンターの育成や人材確保に270万円を充てる方針だ。

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