イランの主要通信社タスニム通信は1日、イラン政府がレバノンでのイスラエルの攻勢に強く反発し、米国との戦闘終結に向けた「覚書」を巡る交渉を停止することを明らかにした。トランプ米大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談し、攻撃の抑制を働きかけたが、イランとの交渉を継続できるかどうかは依然として不透明な状況にある。
イランが交渉停止を発表
タスニム通信の報道によれば、イラン政府はイスラエルがレバノンとパレスチナ自治区ガザでの軍事行動を即時停止し、レバノンから完全に軍を撤収させるまで、仲介者を通じた米国側との文書のやり取りを中断する方針を固めた。イランは4月に米国と停戦で合意した際、イスラエルとレバノンの親イラン勢力ヒズボラの戦闘停止も条件に含まれると主張していた。しかし、戦闘は収束せず、イスラエルは5月末にレバノン南部の戦略的要衝を制圧したと発表。さらに1日には、首都ベイルート南郊のヒズボラ拠点への攻撃方針も示した。
イランの追加措置と外相の非難
イラン政府は交渉停止に加えて、軍によるホルムズ海峡の完全封鎖や、親イラン勢力と連携したバブルマンデブ海峡での戦闘も検討中であると伝えられている。イランのアッバス・アラグチ外相は1日、自身のソーシャルメディアへの投稿で、レバノン情勢について「米国とイスラエルが責任を負う」と厳しく非難した。
トランプ氏の反応とイスラエルの立場
この動きに対し、トランプ米大統領は1日、自身のソーシャルメディアで、ネタニヤフ首相との電話会談において、イスラエルがベイルートに「部隊を派遣しないことを確認した」と強調した。さらに、仲介者を通じてヒズボラとも協議したとし、「イスラエルはヒズボラを攻撃せず、ヒズボラもイスラエルを攻撃しないことに同意した」と説明した。
米主要ニュースサイト・アクシオスによると、トランプ氏は電話会談でネタニヤフ氏に対し、「一体何をやっているのか」と激高したという。対イラン交渉を破談にさせかねない行動に強い怒りを示したものとみられる。その後、トランプ氏は米ABCニュースに対し、覚書について具体的な根拠を示さずに「今後1週間」で合意する可能性があると主張した。
イスラエルの作戦継続意向
一方、イスラエルメディアによると、ネタニヤフ首相はトランプ氏との電話会談後、レバノン南部での軍事作戦は計画通り継続する考えを示した。イランの要求に完全には応じない姿勢を崩しておらず、両国の溝は深まっている。
今回の交渉停止により、中東情勢は一段と緊迫化している。国際社会は今後の動向を注視している。



