水害被災地で生まれた防災企業「Public Gate」の挑戦
2019年と2021年に大規模な水害に見舞われた佐賀県大町町で、地域防災に携わる合同会社「Public Gate(パブリックゲート)」が活動を続けている。代表を務める公門寛稀さん(35)は、町の地域おこし協力隊員を経て会社を設立し、地域のコミュニティ強化と住民同士の助け合いによる防災力向上を目指している。
社員1人で被災地支援を継続
公門さんによると、社員は代表である自分だけだという。被災地で人手が足りないNPOなどから委託を受け、現地での伴走支援を実施している。現在も3、4か月に1回のペースで能登半島地震の被災地を訪れ、継続的な支援を行っている。また、大町町と連携した地域の防災講座にも携わり、地元住民の防災意識向上に努めている。
六角川を舞台にしたコミュニティ強化イベント
コミュニティ強化に向けた取り組みとして、六角川を舞台にしたイベント「六角RIVERフェス」を2024年から開催している。中でもカヤックをこぐ体験ツアーは好評を博している。六角川は大町町以外の市町にも接しているため、流域にある市町同士の関係づくりが重要だと公門さんは強調する。イベントも初回は大町中心で開催したが、昨年の2回目は江北のメンバーが主体となって開かれた。
被災地支援から起業への道のり
公門さんが会社を設立するまでの経緯は、約10年前からNPO法人の職員として、福岡県朝倉市や岡山県倉敷市など豪雨の被災地支援に携わったことにある。2019年には武雄市と大町町に入り、支援物資の管理を手伝った。しかし、ある程度の期間が過ぎると被災地を離れて次の現場へ向かわなければならず、その地域が復興を遂げるまで関われないことにもどかしさを感じるようになったという。
この経験から、地域に根ざした持続的な防災活動の必要性を痛感し、合同会社「Public Gate」を設立。名字から取った社名には、地域防災の「門」として、まちづくりのハブとなる存在を目指す思いが込められている。公門さんは今後も、被災地支援と地域コミュニティの強化を両輪とし、防災力を高める存在として活動を広げていく方針だ。



