延伸ルートが正式決定、桂川駅案に絞られる
北陸新幹線の敦賀(福井県敦賀市)―新大阪(大阪市)間の延伸計画は2026年7月15日、10年前に与党が選んだ「小浜・京都ルート」で改めて決まり、京都市内に設置予定の新駅の場所はJR桂川駅(京都市南区)近くに設ける「桂川案」で決着した。沿線自治体の京都や福井の首長や住民からは、環境への懸念や早期開業への期待など、様々な声が聞かれた。
京都府知事「府民の理解と納得不可欠」
西脇隆俊・京都府知事は15日午前、延伸計画の決定を受けて府庁で記者団に「府民の理解と納得、関係市町の協力が不可欠。引き続き国に、課題や財政負担の軽減に向けて対応を求める」と述べた。新駅は、京都駅を通る「南北案」と桂川駅付近に設ける「桂川案」の2案で検討が進んでいたが、今回桂川案に絞られた。依然として府内では北陸新幹線を巡り賛否が割れている。
京都仏教会は懸念払拭されず
小浜・京都ルートの白紙撤回を求めてきた京都仏教会の宮城泰年・常務理事は同日、読売新聞の取材に「市中心部を通ることは避けられたが、『桂川案』のルート上にも文化財や人々の暮らしがある。懸念が払拭されたわけではない」と語った。
住民からは歓迎の声も
一方、京都市北区の大学2年生(20)は福井県に祖父母が住んでいるといい、「行き来が便利になる。完成が楽しみ」と歓迎。同市西京区の60歳代の男性も「桂川駅の周辺は昔は閑散としていたが、駅や商業施設ができてにぎわうようになった。新幹線で街がさらに元気になれば」と話した。
福井県からは早期開業への期待
延伸に伴い、新駅の建設が見込まれる小浜市では15日、杉本和範市長が報道陣に「ひと安心している。この決定で一歩、二歩も近づいた」と語った。2016年に当時の与党が小浜・京都ルートと決めてから今年で10年になる。杉本市長は「(今回の)決定は大変重い。認可・着工と全線開業に向けて一気に加速させたい」と述べた。
地下水への影響調査、現時点で大きな変化なし
北陸新幹線の建設を巡っては、地下トンネルの掘削により、地下水の変化などの環境影響を懸念する声があり、建設主体の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が調査を進めている。機構が設置した、専門家らによる第三者委員会の調査によると、建設後の京都市周辺の川や地下水の流れをシミュレーションしたところ、地下水に大きな変化はなかった。地下水を使った酒造りが盛んな伏見エリアでも影響はなかった。
ただ、現在整備が進むリニア中央新幹線では、地下トンネル工事現場周辺で、地下水の水位低下や地盤沈下が発生したこともあり、不安視する自治体や市民の声は根強い。機構によると、既に現地調査を終え、影響評価を進めているが、公表時期は未定。複数のルートを想定して調査を行っており、機構の広報担当者は「追加の現地調査は考えていない」としている。



