2027年のフランス大統領選挙まで1年を切り、各政党の候補者選びが本格化している。極右政党・国民連合(RN)では、マリーヌ・ルペン氏とジョルダン・バルデラ氏の2人が候補に名乗りを上げ、支持率で拮抗する異例の展開となっている。最新の世論調査では、第1回投票の支持率でバルデラ氏が34%から38%とルペン氏を上回り、RNが1位と2位を独占する形だ。
ルペン氏の「復活」とバルデラ氏の台頭
ルペン氏は「自分が大統領に当選したら、バルデラ氏を首相に任命する」と表明し、バルデラ氏の政治生命を事実上保証した。この発言により、RN内での2人の協力関係が明確化された。しかし、破棄院の判決次第ではルペン氏が電子監視ブレスレットを着用したまま選挙活動を行う可能性もあり、メディアは「フランスの大統領選史上、前代未聞の恥ずべき状況」と懸念を示している。
一方、バルデラ氏はイタリア移民の血を引く29歳で、もし大統領になれば史上最年少となる。彼の支持層は、移民抑制、治安強化、国民優先、EUからの主権回復というRNの中核路線を評価しつつも、経済政策では企業寄りで自由市場重視の中道右派的な主張に好感を示している。地元メディアは、バルデラ氏の自由市場主義的な経済政策を支持する有権者が多いと指摘する。
マクロン後の中道勢力の動き
マクロン大統領率いる中道の再生党(ルネサンス)では、第1次政権で首相を務めたエドワール・フィリップ氏(中道右派・オライゾン党)が出馬を表明。また、同じ中道右派の共和党(LR)からは党首のブリュノ・ルタイヨー元内相が立候補を表明している。左派勢力では、社会党(PS)が単独候補を決めておらず、党第1書記のオリビエ・フォール氏らの名前が挙がる。急進左派「不服従のフランス」(LFI)は創設者のジャンリュック・メランション氏が出馬表明済みだ。
フランスでは近年、左派より右派への支持率が高まっており、右派勢力の候補者調整が鍵を握る。ルペン氏も、貧困層や社会的弱者を支持層としつつ、過度の福祉依存とは距離を置く発言が目立つ。これは、高所得の退職者や民間企業経営者層をRNに取り込むための戦略だが、党内で議論を呼んでいる。
バルデラ氏とブルボン家王女との交際
バルデラ氏には新たな試練が立ちはだかる。フランスメディアは、バルデラ氏がブルボン家の王女と交際していると報じた。ブルボン家はフランス王政時代の王家で、現在も一部の王党派から支持される存在。この交際が、王党派の有権者を取り込む一方で、共和主義の原則を重視する有権者から反発を招く可能性がある。バルデラ氏はこれまで移民抑制を掲げてきたが、王族との交際はそのイメージに影響を与えるかもしれない。
選戦は混迷を極め、ルペン氏の「復活」とバルデラ氏の「王女熱愛」という新たな要素が、2027年の大統領選を予断を許さないものにしている。



