京町家の「型」ある暮らし、現代の羅針盤に
京町家の「型」ある暮らし、現代の羅針盤に

京都市下京区に江戸時代から構える京町家・秦家の年中行事を、今春までの1年間、毎月紙面で連載してきた。節句や建具替え、正月など、毎年同じ時期に同じ準備を繰り返す暮らしを、住人の秦めぐみさん(69)は「型のある生活」と表現する。

型の文化に込められた意味

京都には長年築き上げられた「型」の文化があふれている。能や狂言、華道や茶道など、それぞれの所作には意味がある。華道家元池坊の池坊専好・次期家元は講演で「華道の型を学べば、その時代の人が何を美しく良いものと考えていたのか価値観がわかる。型とは深くて広い世界を一番わかりやすく理解できるマニュアルのようなもの」と語った。

京町家の型は、日々をより良く生きるために先人が紡いできたマニュアルといえる。先祖や神々を大切にし、四季や旬の食材とともに日常を過ごす。

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型がもたらす生きやすさ

秦さんは「年中行事は準備が大変で足かせに感じた時期もあったけれど、達成感もあり、型があるから生きていきやすいと思うようになった」と明かす。さらに「型を学んだ上で、良いと思った部分を今の生活に溶け込ませることが豊かさを得るヒントになるのかもしれない」と提案する。

価値観が多様化した現代だからこそ、「型」は羅針盤にもなりうる。今夏も京の町家では先祖を迎えるお盆の準備が進んでいる。

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