北海道・北東北の縄文遺跡群、世界遺産登録5周年で明暗 三内丸山一極集中、大森勝山はクマ出没で長期に閉鎖
北海道・北東北の縄文遺跡群、世界遺産登録5周年で明暗 三内丸山一極集中、大森勝山は長期閉鎖

「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されてから、27日で5年となった。県内の新たな観光の目玉として旅行客の誘致につながった一方、来訪者数の約半分を青森市の三内丸山遺跡が占め、一極集中も課題だ。

登録前の1.4倍

1道3県でつくる縄文遺跡群世界遺産本部の事務局(青森市)によると、2024年度に縄文遺跡群を訪れた人は41万639人で、登録前の19年度と比較して約1.4倍に伸びた。県内の延べ宿泊者数も21年以降、4年連続で増加し、25年は19年の約1.1倍となる508万人を記録した。

県内は遺跡や関連資産が9か所あり、県観光交流推進部の中村義人次長は「世界遺産登録も一因。有力な観光資源として、世界から注目を浴びている」と評価する。

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全体を牽引するのが、三内丸山遺跡だ。22~24年度の遺跡群全体の来訪者数のうち、同遺跡が約49~57%を占めた。

県の同遺跡センター世界文化遺産課の中村潤一課長は「三内丸山では毎年度発掘調査が行われ、特別展も頻繁に開催されている。新情報発信への評価は高く、遺跡群の入り口的な役割だけでなく、リピーター獲得にもつながっている」と分析する。

「右肩下がり」

集客に苦戦する遺跡もある。つがる市の田小屋野貝塚の来訪者数は24年度、全遺跡群で最も少ない1134人にとどまった。

弘前市の大森勝山遺跡はJR弘前駅から車で40分以上の山間部にあり、看板も少なく、道に迷う人もいる。クマの出没で閉鎖が長く続いたこともあり、市文化財課によると来訪者数は「右肩下がり」という。

今年4月には、遺跡から車で約10分の場所に出土品や映像で遺跡を紹介するガイダンス施設「おおもりん」がオープンしたが、周りには看板もない。

市内から訪れていた無職三浦陸奥子さん(68)は「県内の遺跡を巡ってもらうためにもっとアピールしてほしい」と歯がゆそうだ。

周遊で観光増

国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)は、複数の資産で構成される世界遺産は全体で価値を有するとする。県観光交流推進部の中村次長も「周遊により各地域で飲食や宿泊などの観光消費も生まれる」と遺跡巡りの必要性を強調する。

世界遺産登録にも尽力した三内丸山遺跡センターの岡田康博・顧問は「世界遺産は増える一方で、何もしなければ埋没していく」と話す。「地道な調査研究や、個性的な取り組みをやっているかが大きな差になる。施設を造って終わりではなく、遺跡を探索し、情報発信をしてほしい」と訴える。

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