広島市は、原爆資料館の展示をメタバース(仮想空間)上で再現した「バーチャル原爆資料館」を公開した。被爆者の証言や遺品などの資料を3D技術でデジタル化し、インターネット上で誰でも無料で閲覧できる。
被爆の実相を仮想空間で体感
この取り組みは、被爆体験の継承と平和教育の促進を目的としており、原爆資料館を訪れることが難しい国内外の人々にも、被爆の実相を伝えることを狙いとしている。仮想空間では、原爆投下前後の広島の街並みや、被爆者が遺した品々を、あたかも現地にいるかのような感覚で見学できる。
広島市は、今回の公開を機に、学校や団体などでの平和学習への活用を呼びかけている。将来的には、被爆者の証言を収録した映像や、より詳細な資料の追加も検討しているという。
平和教育の新たな手段に
原爆資料館を訪れる観光客は年々減少傾向にあり、特に若い世代の被爆体験への関心の低下が課題となっている。市は、メタバースならではの没入感を生かし、若い世代を含む多くの人々に被爆の実相に触れる機会を提供したいとしている。
今回の公開は、被爆80年を前にした平和発信の一環として行われた。広島市は今後も、デジタル技術を活用した被爆体験の継承に取り組む方針だ。



