【10月21日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は20日、米実業家イーロン・マスク氏が、ウクライナ軍が利用する米宇宙開発企業スペースXの軍用衛星通信サービス「スターシールド」の制限を指示していたと報じた。スペースXを率いるマスク氏はこれに先立ち、スターシールドの通信速度や利用に関する制限は、米軍、最終的には米大統領が決定していると述べていた。
ウクライナ軍の無人機に影響
WSJは、匿名の米政府当局者や事情に詳しい関係者の話として、マスク氏がウクライナの機器がシステムに接続できる速度を制限したため、ウクライナ軍の一部の無人機が使用不能になったと報じた。
米国防総省は関与否定
一方、ピート・ヘグセス米国防長官は20日、国防総省はスターシールドのサービス変更を指示していないと強調し、「われわれは何も縮小していない」と述べた。さらに「われわれの認識では何も変わっていない。そうした指示などは一切出していない」と付け加えた。
トランプ大統領は16日、スターシールドの制限を要請したことはないと述べた。トランプ氏は記者団に対し、「(スターシールドに制限を課したのは)私ではない。イーロンでもないと思う」と述べ、「私の理解では、(同サービスは)いつもと変わらない」と続けた。
ウクライナ政府の発表と緊張
ウクライナ政府は先週、ロシアの侵攻を撃退する上で不可欠と位置付ける同サービスに制限が課されたと発表した。これに先立ち、トランプ氏はウクライナを批判し、ロシアの製油所への攻撃を停止するよう求めていた。
ウクライナはスターシールドを、戦場での通信やロシア占領地域に対する中距離攻撃、迎撃用無人機の運用に利用している。また、同じくスペースXが提供する民間用衛星通信サービス「スターリンク」も併用している。
米国とウクライナの関係はここ数日、緊張が一段と高まっている。トランプ大統領によるロシア産軽油への制裁緩和や制裁法の実施見送りをウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が強く非難したことを受け、トランプ氏はゼレンスキー氏の交代を要求していた。