近畿大学とサイバーエデュケーションテクノロジーズは10月19日、学生ポータルアプリ「KDU Mobile」に生成AI機能を搭載し、理工学部・総合理工学研究科の学生5151人を対象とする実証実験を開始すると発表した。お知らせや時間割、シラバスなどに関する質問に生成AIが回答し、利用状況や回答精度を検証する。
Geminiが時間割や課題に関する質問に回答
KDU Mobileは、デジタル学生証や大学からのお知らせ、時間割などを確認できる学生ポータルアプリ。2025年8月の先行運用を経て、2026年8月に全学部、短期大学部、大学院へ対象を拡大した。
近畿大学が2026年7月に利用状況を分析したところ、約7割の学生が通知設定をオフにしていたという。一方、必要な情報はアプリ内の検索機能や画面のスクロールによって探している状況が見られた。こうした情報探索の手間や見落としへの対応として、同アプリに対話形式で情報を取得できる生成AI機能を搭載したとしている。
実証期間は2026年10月19日から2027年1月末まで
生成AIにはGoogleの「Gemini」を採用した。学生がトップ画面の対話ボックスに「今日届いたお知らせは何?」「今日の授業の予定は?」「課題はある?」などと入力すると、生成AIが情報を検索して回答する。履修要項やシラバスに記載された内容についても確認できるようにする。
実証期間は2026年10月19日から2027年1月末までを予定しており、利用実績に応じて終了時期を変更する場合がある。対象は理工学部と総合理工学研究科に所属する学生で、2026年5月1日時点の合計人数は5,151人となる。
回答精度を検証し、全学部への展開を目指す
実証実験では、学生の利用状況を把握するとともに、対話履歴のチューニングを通じて生成AIの回答精度や応答の適切さを確認する。学生から寄せられた意見や利用データを基に、精度の向上も図る。
近畿大学は2026年9月、グーグル・クラウド・ジャパンと包括連携協定を締結した。教育、学生支援、大学運営、研究の各領域を横断する「AIネイティブ大学」の実現を目指しており、今回の実証実験を「24時間学生支援モデル」の構築に向けた取り組みと位置付けている。
今後は生成AI機能を全学部へ展開することを目指す。また、生成AIを活用した履修登録やキャリア形成、将来設計に関する個別アドバイスを行う学生相談の仕組みも検討する予定である。