秋になると抜け毛が増えると感じる人は少なくない。その抜け毛が一時的なものなのか、AGA(男性型脱毛症)の進行なのか、判断に迷う人も多いだろう。クリニックフォア監修医でナチュラルスキンクリニック院長の皮膚科医・圓山尚氏が、原因や判断基準、さらに若年層に広がる予防AGA治療の実態と、後悔しないクリニック選びについて解説した。
秋の抜け毛、季節性かAGAか見分けるポイント
秋に抜け毛を気にする男性は多いが、その原因について圓山氏は「肌と同じく、夏に受けた紫外線のダメージが秋になって脱毛という形で出てくることはあり得る」と説明する。特に頭頂部の毛髪が少ない人は、頭皮が赤くなるなど紫外線の影響を受けやすいという。ただし、抜け毛の原因が必ずしも季節的なものだけとは限らず、円形脱毛症など他の病気の可能性もあると指摘する。
一時的な季節性の抜け毛とAGAの進行を見分けるポイントについては、「AGAの場合は、M字部分や生え際、頭頂部が抜けていくという特徴がある。また、毛が細く短くなっていく『毛のミニチュア化』が見られるのがAGAの所見」と述べる。単なる紫外線ダメージであれば毛の太さは変わらないため、ひとつの基準になるとしている。ただし、もともとAGAの症状があって、さらに季節の影響が重なるケースもあるため、「気になる場合は、一度クリニックを受診していただくと安心」と呼びかけた。
若年層に広がる予防AGA治療のメリット
最近は20代など若いうちから「薄毛になる前に予防する」という男性が急増している。早期予防のメリットについて、圓山氏は「毛髪が抜けてから戻そうとすると、お薬(フィナステリドなど)の量も多くなってしまい時間もかかる。健康上の問題がなければ、早い段階で少ない量のお薬を飲み始めるのが一番負担は少ない」と説明する。
注意すべきクリニックの特徴と選び方の3つのポイント
予防治療を始める人が増えたことで、AGAクリニックの広告も多く見かけるようになった。一方で「高額な契約を結ばされた」といったトラブルも報告されている。こうしたトラブルを避けるためのクリニック選びについて、圓山氏は「AGAは今日明日で手遅れになる病気ではない」とした上で、「契約を焦らせないこと、本当にAGAなのかをしっかり診断してくれること、副作用が出た際にもきちんと相談に乗ってくれる体制があること。この3点が重要」と強調する。
また、「以前に比べて薬代は安くなってきているが、医学的エビデンスの乏しい施術を勧めてくるクリニックもある。これらには注意が必要」と警鐘を鳴らした。
AGA治療は長期間にわたるため、途中で費用を節約したくなり自己判断で薬を減らしたり中断したりする人もいるかもしれない。これについて圓山氏は「AGAのお薬は、患者さんが気にされている限り飲み続けていくもので、服薬をやめればAGAの進行が再開するだけ」と説明。その上で「今までやってきた治療がすべて無駄になり、よりひどいリバウンドが起こるということはありません。ただ、自己判断で薬を減らすのはおすすめできないので、『どうやって減らしていくか』は必ず処方元の医師に相談してください」とアドバイスしている。