政府は、政府機関が持つ機密性の高い情報を管理するため、民間企業が技術提供するクラウドサービスを新たに導入する方針だ。米国製のクラウドが候補になっている。政府は、自衛隊でAI(人工知能)の活用を進める考えで、機密情報を安全に管理できるかも課題となりそうだ。
防衛省が概算要求に盛り込む方針
防衛省は8月末に予定する2027年度当初予算の概算要求に盛り込む方針だ。
7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)には、「自律的な運営・管理を確保した上で、機密性の高い情報を扱うために必要な情報保全・秘密保全措置を講じたクラウドの導入を進める」とした。具体的な調達方法は年内に決める予定だ。
クラウド導入の背景と課題
クラウドとは、データやアプリケーションをネットワーク上で管理・保存する仕組み。現在政府内では、政府共通で運用するクラウドサービス「ガバメントクラウド」が導入されている。
防衛省は、機密性の高い情報を扱える民間のクラウドの必要性を強く訴えてきた。自衛隊が、迅速で正確な情報収集と意思決定を行えるよう、AIの活用を急いでおり、大量のデータを蓄積し処理するための環境整備が必要だからだ。
防衛省では従来、「オンプレミス」と呼ばれる自前で設置するサーバー環境で、機密性が高い情報を扱っていた。容量を拡大するにはハードウェアの改修が必要になり、時間やコストがかかる。このため、柔軟な運用が可能になる民間のクラウド技術が検討されている。
海外製クラウドの課題
一方、クラウドの導入に際し、いかに日本政府が情報管理にコントロールを利かせられるかが課題になる。複数の政府関係者によると、海外製のクラウドでは「主権性の確保」が課題となる。具体的な調達方法は年内に決める予定だ。



