田中道昭・日本工業大学大学院教授は、フィジカルAIが産業や企業だけでなく、国家の地理そのものを変えると指摘する。東京一極集中という日本固有の課題に対し、AIが新たな転換点をもたらすと論じている。
技術が変える国家の地理
情報・資本・人材・意思決定の集積は技術に規定される。農業社会では肥沃な土地と水源、工業社会では港湾や鉄道、知識社会では情報密度の高い都市に経済の重心が移ってきた。AIは今、その地理を再編する力を持つという。
地方はAI後進地域と見られがちだが、工場や田んぼといった現場こそがフィジカルAIの最強の切り札になると強調。実際の生産現場でのAI活用が、地方の競争力を高める可能性を秘めている。
筆者の著書『フィジカルAIの衝撃』(朝日新聞出版)では、フィジカルAIが産業と企業を書き換える様子を分析。本稿ではその議論をさらに発展させ、地理的変革の視点から東京一極集中の解消に迫る。



