九州大発IT企業Fusic、宇宙産業やディープテックに意欲 納富社長
九州大発Fusic、宇宙産業やディープテックに意欲

九州大発のIT企業「Fusic(フュージック)」(福岡市)が、宇宙産業やディープテック分野への意欲を示している。2023年に東京、福岡両証券取引所に上場した同社の納富貞嘉社長(48)は、起業当時からの環境変化や事業の展望について語った。

起業当時の苦労と周囲の支援

納富社長は、大学院生だった2002年に起業した。就職氷河期と言われた時代で、サラリーマン経験がないため、起業や働くことに対する苦労を苦労と認識しづらかったと振り返る。「当時はただ自分自身が会社の価値を生み出さないといけない一心でとにかく働いた」と述べ、周囲の大人が協力的で、変わったことをしている若者を応援してくれる感覚があったという。

大学からの支援についても触れ、学内の人が学外の人を紹介してくれたことや、様々な職種の人から業務効率化のプログラムやシステム制作の依頼があったことを明かした。中小企業から声をかけられ、受注を重ねていったという。

関東との環境差と福岡の魅力

当時は関東や関西の大学発ベンチャーが先行しており、東京大や慶応大、早稲田大など多くの大学発ベンチャーがひしめいていた。競争が激しかった分、大学側も施策を打ち出す機会が多かったと述べた。

一方で、起業を目指す同年代の人数は圧倒的に東京の方が多く、知見の共有や起業を支える人材の数にも差があったと感じている。現在でも上場企業の大半が関東に偏っており、知見の蓄積やIPOを支える人材の数にも大きな差があると指摘。九州では知見を持った人材は大企業にいることが多いという。

福岡の魅力については「大きい」と強調し、宇宙産業やディープテック分野への意欲を示した。