東京農工大などの研究チームは、ニワトリをケージで飼う場合と平飼い(ケージフリー)で飼う場合とで卵の味が変わることを実験で確かめた。ニワトリの体内で栄養素の代謝が変化し、ケージの卵は脂質代謝物が増えていた一方、平飼いの卵はうまみや甘みに関連するアミノ酸が増えていたという。研究成果は専門誌に先行公開された。
世界的に進むケージフリー移行
研究チームの新村毅・東京農工大教授(動物行動学)によると、世界的に動物福祉(アニマルウェルフェア)が重視され、特に欧米でニワトリのケージ飼いからケージフリーへ急激に移りつつある。ケージフリーではニワトリが自由に動き回り健康状態を改善させることができると考えられている。ただ、生産コストや小売価格が高くなるため、消費者に広く受け入れられるには味や栄養価で付加価値が伴うかが注目されている。
5年にわたる検証と官能評価
研究チームは、同一の部屋の中にケージとケージフリーの状況をつくり、えさも同じものを与えて、飼い方のちがいがニワトリと卵にどんな影響を与えるか5年にわたり検証。それぞれの卵でつくったプリンと茶わん蒸しを107人に食べてもらい、味やにおい、舌ざわりなどの特性を五感で測定する官能評価をした。
さらに、それぞれの卵の卵黄、卵白、ニワトリの血液に含まれる563種類の代謝産物を解析したほか、ニワトリの肝臓で働く約2万個の遺伝子の活動具合を測定した。
脂質とアミノ酸の違い
その結果、ケージ卵はニワトリの活動量が制限されるため脂質関連の代謝が活発になり、卵黄でオレイン酸やリノール酸などの長鎖脂肪酸が増えていた。官能評価ではプリンを食べたときのクリーミーさが際立った。
ただし、ニワトリの肝臓で胆…この記事は有料記事です。残り526文字。