若者の間で使われる流行語の上半期ランキングが各社から発表され、共通して「フレネミー」や「冷笑系」といった人間関係の不穏さを感じさせる言葉が上位に入っている。
「フレネミー」は、友達のふりをしながら陰で悪口を言う人を指す造語で、「JC・JK流行語大賞2026上半期」の「コトバ部門」で2位に選ばれた。若者向けマーケティング支援を手がけるAMF(東京、椎木里佳社長)が、全国の女子中高生1000人へのアンケートと「JCJK調査隊」メンバーの選考に基づき選定した。
「フレネミー」の意味と背景
発表では、「フレネミー」を「Friend(友達)とEnemy(敵)を掛け合わせた造語」と説明。表面上は仲良く振る舞いながら、陰では嫉妬や足の引っ張り合いをする相手を指す。言葉自体は以前からあったが、2026年のJC・JKの間ではSNSでの「つながりの深さ」が複雑な人間関係を可視化し、そのモヤモヤ感を言語化する言葉として再発見・再流行したという。
この言葉は2015年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で候補50語に選ばれ、2016年の「現代用語の基礎知識」(自由国民社)に詳しい説明が掲載された。もともとは外交用語で、アメリカの外交評論家らが中国とロシアの関係を表現する際に使われることが多いとされる。
「αZ世代が選ぶ2026年上半期トレンドランキング」(αZ総研)の「流行った言葉」部門でも「フレネミー」は3位に入り、「表面上は親しく友好的に接してくるものの、裏では足を引っ張ったり、さりげなく自信を奪ったりする『友達のふりをした敵』」と説明。「SNS上で『フレネミーあるある』として高校生〜大学生を中心に広まっている」といい、「自分も友達もよく使ったりする言葉だから(20歳・大学生)」とのコメントも紹介されている。
「冷笑系」の台頭
「冷笑系」も「JC・JK流行語大賞2026上半期」の「コトバ部門」で3位に選ばれた。他者の真剣な主張や熱意に対して斜に構えて冷ややかに見下す態度や傾向を指すネットスラングで、もともとはネット上の政治的議論で使われていたが、JC・JKの間では「熱中している人を見るとつい引いてしまう」といった日常的な距離感を表す言葉として浸透している。
発表では、SNSで「熱意を出すのはダサい・リスクがある」という冷めた空気感が若年層に広がりつつあることを示すワードだとし、コンテンツ部門3位の「ルッキズム風刺画」や2位の「フレネミー」と合わせて、2026年上半期の“冷笑カルチャー”の台頭を象徴しているとしている。
「ルッキズム風刺画」は、TikTokを中心に拡散されている外見至上主義を皮肉るイラストや動画で、「どれだけ努力しても生まれ持った骨格には勝てない」といった現実を可視化し、「リアルすぎる」と共感を呼ぶ一方で、若者のメンタルヘルスへの悪影響を懸念する声も上がっている。
これらの流行語は、若者だけの問題ではなく、日本全体の閉塞感が関係しているようにも思われる。若者の流行語を大人は敬遠しがちだが、考えるべき点も多いのではないだろうか。



