英経済紙フィナンシャル・タイムズが「日本にAIのスターが不足するなか、唯一輝く」と称した半導体企業がある。東京・芝浦に本社を置くキオクシアだ。株価はこの1年ほどで約11倍に急騰し、AIインフラ需要の高まりを背景に世界有数のパフォーマンスを見せている。かつて低迷し、IPO時も注目されなかった地味なフラッシュメモリメーカーが、AIブームの追い風を受けて存在感を急激に高めている。
「日の丸半導体」の現在地を映す3本
半導体をめぐる国際競争が過熱し、経済安全保障の要として各国が巨額投資を競う時代を迎えている。長らく「凋落した」と語られてきた日の丸半導体だが、生成AIの爆発的な普及を追い風に、いま思わぬ復権の兆しを見せている。ここでは、日本の半導体の現在地を映し出す3本の記事を紹介する。
キオクシア大逆転の軌跡
1本目は、フリーライターの青葉やまと氏による、東京・芝浦のフラッシュメモリメーカー、キオクシアを取り上げた記事。英経済紙が「日本で唯一輝く」と評した同社は、株価がこの1年ほどで約11倍に急騰。世界初のNAND型フラッシュメモリを生んだ技術のパイオニアに、AI各社のデータセンターから発注が殺到する現状を追う。
2本目は、伊藤忠総研副主任研究員の小林泰斗氏による、キオクシアの大逆転を読み解く記事だ。東芝の経営危機で売却対象となり、存続すら危ぶまれた企業が、なぜ株価15倍、時価総額10兆円超へと駆け上がったのか。NAND一本で世界3位に立つ独自の戦略と、日系唯一のメモリメーカーが背負う意味に迫る。
日本半導体の課題と勝機
3本目は、多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による、日本の半導体戦略を問う記事。AI学習に不可欠なHBMの分野で韓国勢が独走するなか、日本にはまだ量産できる企業がないという現実がある。世界1位のシェア奪還には何が必要か、ラピダスの挑戦を手掛かりに、産業の未来を展望する。
躍進と課題が交錯する日本の半導体産業。その最前線から、私たちが知っておくべき勝機と壁を見つめる。



