高市早苗首相が歴史的大勝を果たした衆院選からまもなく半年。なぜ高市内閣は支持され、なぜ野党は苦戦が続くのか。国会答弁、首相動静、SNSなど膨大なデータを分析する連載「支持の正体 データで読む高市政治」の第3回では、SNSで広がる政治関連動画の世界を、配信者の視点から掘り下げる。
肯定評価が圧倒的、批判も増加傾向
高市氏に言及したYouTube動画では、肯定的な評価が圧倒的に多い。一方で、3月以降は批判的な内容も増加傾向にあるという。絶賛される政治家がいる一方で、徹底的にこき下ろされる政治家もいる。政治関連の動画があふれるSNS空間は、極端で、時に排他的な雰囲気がある。
日ごろ中道改革連合を中心に政党取材を担当する菅原普記者(2013年入社)は、SNSの波に乗りきれない政党の現状を見てきた。誰が、どんな思いで配信しているのか。政治関連の動画配信者に会うため北海道帯広市に向かった。
帯広の配信者、副収入目的から政治動画へ
帯広駅から車で10分。静かな住宅街の一角にあるアパートに会社員の腰山椋太郎さん(33)は暮らしている。動画編集や配信に使っているのは、自宅リビングのパソコンとモニター1台のみ。副収入を得ようとオンライン講習に15万円の会費を払い、半年かけて動画編集を学んだ。「みんなができないことをやろうと、動画編集を選んだって感じです」と語る。
政治系の動画配信を2年ほど続けているが、もともと政治には関心がなかった。収益がない月もあるという。それでも、自分の「推し」の政治家を広めたいという思いで配信を続けている。
自民党が着目、配信者との関係
高市氏のSNS人気に自民党が着目し、「早く動画を」と対応を急いでいる。配信者の中には、収益一辺倒で、思想信条や好き嫌いに関係なく再生回数を貪欲に追い求める者も存在する。いわゆる「切り抜き職人」と呼ばれる存在だ。
政治関連の動画配信は、今や政治コミュニケーションの重要な一部となっている。その実態を理解することは、現代の政治を読み解く上で欠かせない。



