「サクラアワード2027」ロゼ、日本ワイン、低・ノンアルコールに注力
サクラアワード2027、ロゼ・日本ワイン・低ノンアルに注力

日本の女性ワインプロフェッショナルが料理との相性も含めてワインを評価する国際ワインコンペティション「“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards(サクラアワード)」。7月13日に、ザ・キャピトルホテル東急で活動方針説明会と受賞ワイン試飲懇親会が開かれた。

13年の歩みと新たな方針

“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards 2027 第1部では、主宰・審査責任者の田辺由美氏が13年間の歩みを振り返り、第14回となる「サクラアワード2027」に向けた方針を発表。第2部では、ダイヤモンドトロフィーとダブルゴールドの受賞ワイン208アイテムが用意され、寿司や天ぷら、中華料理などとのペアリングを体験することができた。当日は在外公館や業界団体、ワインの生産・流通関係者ら約450人が参加した。

37カ国3,715アイテムが集うアジア最大級のコンペ

2014年に始まったサクラアワードの特徴を、田辺氏は「日本の女性」「和食とアジア料理とのペアリング」「消費者」という三つの柱で説明した。審査員は全員が日本のプロフェッショナルの女性であり、料理とのペアリングをコンペティションの評価に組み込んでいるのは、世界の中でもサクラアワードだけだという。また、単にワインの品質を評価するだけでなく、受賞したワインをどのように消費者へ届けるかまでを活動の範囲としているのも同アワードの特徴だ。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

2026年のエントリーは3,715アイテム。フランス816本、イタリア691本、日本429本を筆頭に、過去最多となる37カ国から出品された。受賞率は61%で、最高賞のダイヤモンドトロフィーに選ばれたのは65アイテムと狭き門だ。近年はモルドバやチェコ、ジョージアなど、日本ではまだ十分に知られていない産地からの出品が増え、受賞率も高い。田辺氏は「審査員が固有品種をしっかり評価できるようになってきた」と手応えを語った。

注力する三つのテーマ:ロゼ、日本ワイン、低・ノンアルコール

サクラアワードが今後注力する三つのテーマとして、ロゼ、日本ワイン、低・ノンアルコールが強調された。

一つ目はロゼワインだ。2026年のエントリーに占めるロゼの割合はわずか4%ほど。業界内では「日本ではロゼは売れない」というあきらめにも似た声が聞かれる。田辺氏は「本当にロゼは売れないのか、売り方の問題ではないのか」と問題提起する。田辺氏によると、6月に開催された「WINE TOKYO 2026」で受賞ロゼを品種別に並べて提供したところ、用意したワインはあっという間になくなったという。来場者からは「品種によって、ロゼはこんなに味が違うのか」といった声も寄せられた。こうした経験も踏まえ、田辺氏は「売れないロゼから売れるロゼへ」を掲げ、ロゼワインを広めるキャンペーンの実施を打ち出した。

二つ目は日本ワインの伸長である。田辺氏によると、現在、国内のワイナリーは550を超え、急速に増えているという。サクラアワードへの日本ワインの出品も、第1回だった2014年の約3倍に上る。特筆すべきは、今回初めて、日本の5ワイナリーが最高賞ダイヤモンドトロフィーを受賞したことだ。数だけでなく、品質面でも底上げが進んでいることを、田辺氏は審査の現場で感じたという。

三つ目は、低・ノンアルコールワインへの対応だ。低アルコールワイン賞とノンアルコールワイン賞は一昨年に新設され、2026年には両部門を合わせて約200アイテムがエントリーした。健康志向や若い世代のアルコール離れを背景に、田辺氏は低・ノンアルコールワイン市場の広がりに期待を寄せた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

「賞」から「ブランド」へ

創設から13年がたち、業界やワイン愛好家の間で認知を広げてきたサクラアワード。田辺氏が次に目指すのは、「賞」から「ブランド」への進化だ。受賞したワインが「売れるワイン」につながるよう、受賞ロゴやシールを活用した販売促進に取り組んでほしいと田辺氏は呼びかける。日本市場に最も影響力のあるワインアワードを目指す。

受賞ワインと料理のペアリング体験

第2部の会場には、ダイヤモンドトフィーとダブルゴールドを中心に約200本の受賞ワインが並び、寿司や天ぷら、中華、鉄板焼きなどと合わせて試飲できた。以下、筆者が会場で試して印象に残ったワイン、そしてペアリングを紹介する。

完成度の高さにうなったのは、モルドバの土着品種フェテアスカ・ネアグラを使用した赤ワイン「セレクション・ヴラドレン・ウジャコフ フェテアスカ・ネアグラ 2021」と国産牛リブロースの網焼き。プラムやブラックチェリーを思わせる濃密な果実味に、黒胡椒や甘いスパイス、バニラの香りが溶け込む印象的な1本。黒系果実の濃密な風味とスパイスの香りが、肉の脂や焼き目、ソースの甘味とマッチした。

天ぷらに合わせたのは、ブルゴーニュ南部の生産者カーヴ・デ・ヴィニュロン・ド・ビュクシーによる「モンタニー・プルミエ・クリュ ミルビュイ 2023」。レモンやグレープフルーツを思わせる酸と苦味が天ぷらの油と好相性を見せ、白桃のような果実の厚みが海老や衣の甘味に寄り添った。

面白かったのは、北海道・十勝のめむろワイナリー「つながる 2023」と焼き鳥のペアリング。梅やアセロラを思わせる酸と、土やハーブ、スパイスの野性的な香りがタレの甘味を引き締めつつ、鶏の脂を軽く感じさせてくれた。

このほか、大分県の安心院ワイン「アルバリーニョ 矢津 2024」や、南フランスのドメーヌ・ド・シバディエス「ペガサス・シャルドネ 2025」、シャンパーニュ「ジャコヴィアック=ロンドー グルマンド」、島根ワイナリー「早摘みデラウェア 2025」なども印象に残った。

未知なる日本のワインに今後もスポットを

優れたワインに賞を与えるだけでなく、まだ知られていない産地や造り手を発見したり、料理とのペアリングを消費者に提案したりするところまで担うのがサクラアワードというコンペティションの最大の特徴だ。今後の方針として打ち出された「賞からブランドへ」という考えのもと、サクラアワードが日本のワイン市場と食文化にどう貢献していくのか。次回第14回の受賞結果とあわせて注目したい。

サクラアワード2027のエントリー期間は2026年10月1日~11月30日。受賞結果は2027年3月1日に発表される。