警察や検察の取り調べで、こちらの言い分を供述調書に正確に書いてもらえないことがある。そんな事態への対抗手段として、刑事弁護の現場では、ある取り組みが少しずつ広がっている。「取り調べ拒否」だ。
憔悴しきった女性が語った「無理やり注射された」
1年ほど前、石川県内の警察署。スウェット姿で接見室に現れた容疑者の30代女性は、憔悴(しょうすい)しきっていた。国選弁護人として接見した上野花穂弁護士(金沢弁護士会)がアクリル板ごしに話しかけても、うつむきがちで声に力がない。
女性の逮捕容疑は、自宅で覚醒剤を使用したというものだった。「覚醒剤を使ったのですか」と尋ねると、女性は小さな声で答えた。「使ったかと言われれば、使いました」
同居していた交際相手の男性が覚醒剤を使っていた。男性からはDVを繰り返され、「お前を薬漬けにしてやる」と言われて覚醒剤を無理やり注射されたことが何度もあった。逃げたかったが、「見つかれば殺されるかもしれない」と思い、逃げられなかった――。
弁護士の助言「相手はプロです」
話を聞いた上野弁護士は、女性にこう伝えた。「警察は、無理やり注射され…」
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