SNS依存訴訟、メタが米48州と和解 子供守る規制強化へ転換点
SNS依存訴訟、メタが米48州と和解 子供守る規制へ

世界で30億人以上のSNS利用者を抱える米メタが、子供のSNS依存を巡る訴訟で米国内の48州と和解した。各国で子供のSNS規制が進む中、今回の和解は業界の規制強化へ向けた大きな転換点となる可能性がある。

原告側の主張と和解内容

原告側は、学識者の報告書などを基に、延々と動画を視聴できる「無限スクロール」などが子供の依存を誘う不公正な設計だと主張した。さらにメタが依存問題を把握しながら安全性をアピールし、消費者をだましたと訴えた。

メタは最大180億ドル(約2・8兆円)の和解金の支払いに合意した。敗訴すれば、さらなる巨額賠償の恐れがあったほか、裁判の長期化も懸念したとみられる。

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約束された安全対策の具体策

和解が画期的な内容を含むのは、これまで規制に消極的だったメタが、大幅な子供の安全対策の強化を約束したことだ。フェイスブックやインスタグラムで利用時間を1日2時間までに制限し、午前0時から6時は利用出来ないようにするという。授業が行われる午前8時から午後3時は通知音を消す措置を講じる。

また、投稿に対する「いいね」の数を表示しない仕組みも導入する。どれも妥当な策であるが、実効性を確保するには抜け穴を防ぐことが重要だ。和解条項に盛り込まれた年齢確認を徹底するための具体策を詰める必要がある。

業界全体への波及と日本の課題

メタは和解金を全額支払う条件として、競合他社が運営するユーチューブとTikTok(ティックトック)が、同様の対策を導入することを求めている。真摯に受け止めてもらいたい。対策の緩いSNSに利用が移ったら意味をなさない。子供を守る責任の重さを自覚し、業界全体の取り組みに繋げねばならない。

メタは米国外での対応を明らかにしていないが、子供のSNS依存は各国共通の問題だ。速やかに米国外にも広げてほしい。日本では、こども家庭庁が対策を検討している。

脳の発達が未熟な子供ほど長時間使い続ける問題は大きい。刺激の強い動画などの影響を受けやすく、依存すると、いじめや抑鬱、自殺願望、摂食障害などが増える傾向があるとされるためだ。SNSの一部は親子間や部活動の連絡にも使われるなど日々の暮らしに深く浸透している側面もある。SNS規制をどう強化していくかは重い課題である。日本政府は、メタの取り組みを機に各国とも連携し、実効性のある措置を検討していくべきだ。

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