こども家庭庁の有識者会議は、SNSを利用する子供の保護に関する中間報告書をまとめた。SNSを巡っては、心身への悪影響や犯罪に巻き込まれるリスクなどが世界中で問題になり、使用の規制に乗り出す国も多い。日本でも一定の制限が必要だ。
報告書は、SNS事業者が利用規約で対象年齢を13歳以上などと定めていても年齢を偽る子供が多いとして、マイナンバーカードを活用した年齢確認の厳格化を求めた。事業者が従わない場合は、罰則を設けることも検討すべきだとしている。政府は有識者会議の最終報告を受けて、来年の通常国会に青少年インターネット環境整備法の改正案を提出する方針だ。
事業者任せでは不十分
SNSは、脳の発達が未熟な子供ほど影響を受けやすい。依存性が高く、長時間利用の問題もある。法改正により子供の健全な育成環境が守られるのであれば、一定の前進である。ただ、事業者任せの対策で規制の効果が上がるのかという疑問が残る。
海外では規制の動きが加速している。豪州は2025年、国として初めて16歳未満の利用を一律に禁止した。フランスは9月から15歳未満の利用を禁じる。インドネシアや韓国などアジアでも規制が進む。報告書は法律による一律の年齢規制について「政府で引き続き議論を重ねる」という表現にとどめたが、事業者による年齢確認が十分に機能しない場合、一律規制の導入も排除すべきではなかろう。
年齢設定と「居場所」への配慮
規制する年齢を何歳とするかも難しい問題だ。事業者の利用規約は12~13歳以上を対象にしているが、海外では16歳未満を禁じている国が多い。医学や認知心理学の知見も踏まえて十分に議論し、利用規約の見直しや法改正に生かすべきだ。
SNSには、すでに親子間や部活動の連絡などに広く使われているサービスもある。規制する場合は、こうした状況をどう考えるかも重要な視点になる。日本が一律の年齢規制に消極的なのは、表現の自由を侵害しないかという懸念に加え、SNSはいじめなどで生きづらさを感じる子供らの「居場所」になっているという意見があるためだ。
生きづらさの解消が先
しかし、SNSに居場所を求めること自体、健全とは思えない。重要なのは、生きづらさの要因を解消することではないか。



