鬼越トマホーク金ちゃんに不審電話、警察装う詐欺に注意喚起
鬼越トマホーク金ちゃんに不審電話、警察装う詐欺に注意

お笑いコンビ「鬼越トマホーク」の金ちゃんが2024年5月21日、自身のX(旧Twitter)アカウントで警察官を装った不審な電話の内容を明かし、SNS上で大きな注目を集めている。相手は警察を名乗り、「あなたが事件の参考人になっている」と説明したという。しかし近年、警察官を装って接触し、詐欺へと誘導する手口が全国各地で急増している。

警察を装った不審電話の実態

金ちゃんさんの投稿によると、「警視庁捜査本部なのですが少しよろしいですか? あなたが事件の参考人になってるので警察署まで来て欲しいのですが可能でしょうか?」といった内容の電話が非通知でかかってきたという。警察から非通知で連絡が来ることはあるのだろうか。

アディーレ法律事務所の大垣優希弁護士は、通常、警察からの連絡は警察署の代表番号や担当部署の直通番号、警察官の公用携帯電話など、発信元が分かる形で行われると指摘する。発信環境などの事情により番号が表示されないケースを完全には否定できないが、一般市民に対する事情聴取や参考人としての連絡を非通知で行う必要性は高くないという。そのため、「非通知で警察を名乗る電話」があった場合は、まず一度立ち止まり、本当に警察からの連絡なのか確認することが重要だ。

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特に最近は、警察官を装った特殊詐欺が全国的に増加している。「警察」「捜査」「参考人」などの言葉で不安をあおり、冷静な判断をさせない手口も少なくない。相手が警察を名乗った場合でも、その場で話を続けるのではなく、所属部署・氏名を確認した上で電話を切り、自分で調べた警察署の代表番号にかけ直して事実確認を行うことを推奨する。

詐欺グループの狙いと手口

金ちゃんさんは、「この場合長く話したら金が取られるとかあるのかなと思いつつ向こうになんのメリットがあるのか分からないので詳しい方教えてください」と投稿している。今回のケースではどのような狙いがあったのだろうか。

大垣弁護士によると、考えられるのは、その場でお金をだまし取ることではなく、将来の詐欺につなげるための「選別作業」だという。特殊詐欺グループは、最初の電話でお金を要求するとは限らない。むしろ近年は、「警察を名乗って話を聞いてくれる人か」「指示に従う人か」を見極めるための接触から始まるケースが増えている。

例えば、「警察の捜査対象になっている」「参考人として話を聞きたい」などと言われると、多くの人は不安になる。その状況でも電話を切らずに応じる人は、詐欺グループから見ると今後も接触する価値のある対象として認識される可能性がある。そして一定期間が経過して警戒心が薄れたタイミングで、銀行口座の不正利用や還付金手続きなど、別のもっともらしい名目で再度連絡を受けた場合に、「前とは違う内容だから問題ない」と判断し、応じてしまう危険がある。

また、今回のように相手が氏名を把握していたとしても、本物の警察である証拠にはならない。氏名や電話番号などの情報は、過去の名簿流出や各種サービスから漏えいした情報によって把握されている場合もある。さらに最近では、指定の場所に出向くことが難しいと断った場合に、「詳しい話はLINEで説明します」「ビデオ通話で本人確認をします」などとして別の通信手段へ誘導し、警察官を装った人物や偽の警察手帳を見せて信用させる手口も確認されている。特殊詐欺は最初の電話だけで完結するとは限らず、むしろ最初の接触は本格的な詐欺の入口であることが少なくないため注意が必要だ。

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適切な対処法と注意点

警察を名乗る電話がかかってきた場合、どのように受け答えして対処すべきだろうか。非通知ではなく、番号表示がある場合にも注意すべき点がある。

大垣弁護士は、まず落ち着いて、「所属部署とお名前を教えてください。こちらから警察署へ確認の上折り返します」と伝えるのがよいとアドバイスする。そして、相手が本物の警察官であることを確認できるまでは、住所、生年月日、勤務先、家族構成、銀行口座情報、クレジットカード情報、マイナンバー、資産状況などの個人情報は伝えないようにする。

注意したいのは、電話番号が表示されているからといって安心できない点だ。近年は実在する警察署や官公庁の番号を表示させて電話をかける「番号偽装」の手口も報告されている。そのため、表示された番号や相手の肩書だけで信用するのではなく、一度電話を切り、自分で調べた警察署の代表番号へ連絡して確認することが大切だ。本物の警察であれば、確認のために折り返し連絡を希望したとしても、問題になることはない。逆に、電話を切らせない、すぐに対応を求める、個人情報や金銭の話を持ち出すといった場合は、詐欺を疑うべきサインといえる。

「警察だから信用する」のではなく、「自分から確認できた警察だから信用する」という意識が重要だと大垣弁護士は強調する。

法律解説者プロフィール

大垣優希弁護士(第一東京弁護士会所属)。アディーレ法律事務所に所属し、夫婦問題や遺産相続、債務整理など、多様な一般民事分野に関心を持つ。法律分野に留まらず、日本化粧品検定1級の資格も保有するなど、専門性のさらなる深化にも意欲的で、身近な悩みに根拠をもって寄り添う解説を志す。