先月、総務省で「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会」が開催された。iPhoneの発売タイミングであったため、すっかり盛り上がりそうだと反証していたら、なんと「9月17日から24日、メールを用いて検討」であった。
つまり、「資料を公開するから、委員はメールで意見を総務省に返信しろ」ということのようだ。スマートフォンの割引規制という国民生活に影響を及ぼす重要な政策について、議論の過程を公開することなく、メールというクローズドなやり取りだけで決めてしまうという無責任さは理解に苦しむ。
今回の注目は端末購入プログラムにおける残価率の設定だ。2024年にはRMJ(リユースモバイルジャパン)の売買実績データを元に、キャリアは2年後の売買価格を算出し、端末購入プログラムでの残価を設定するというやり方になっていた。しかし、販売されているあらゆる機種(容量別)に対して売買価格を調べ、年数ごとに価格を出し、リスト化していく作業はRMJもキャリアも負担している。
残価率の設定方法をめぐる議論
そもそも「取り扱い台数の少ないRMJを参考にして信頼性はあるのか」と突っ込むキャリアもいるなど、もはや機能していないルールと化している。専門委員会では「残価率の設定は業界で統一する」といった検討がなされており、これが年内にも決定しそうな勢いだ。
こうなってしまうと、残価率は今まで以上に低くなってしまい、ユーザーはスマホをさらに買いにくくなる恐れが出てくる。おそらく、このタイミングでそもそも今の残価設定プログラム自体を見直すぐらいでないと、誰もキャリアでスマホを購入しなくなるのではないか。
現行プログラムの問題点
現状の残価設定プログラムは「2年ごとに買い替えればお得」ではあるが、この9月はiPhone 18が出なかったため、2年前に購入したユーザーは端末に月々の支払い額が上がり、負担が増すことになる。2年後に返却しようと思っても、毎月、補償プログラムに入らなくてはならず、さらに2年後に別のキャリアに行こうものなら、別に2万円の支払いを請求される。様々なところにトラップが存在し「本当に得に買えるのか」がよくわからなくなっている。
結局、「メーカー直販で買って、傷をつけずに使い続け、返却する」というのが最も賢い買い方であることに、ユーザーは気付き始めている。
割引規制の見直しを求める声
業界的には最先端のAIが使え、最新の通信技術によって、快適なデータ通信を支える端末を普及させていく必要がある。最新のスマホによって、ユーザーの生活が豊かになるべきなのは間違いない。しかし、今の総務省のルールでは、最新スマホの普及を遅らせるだけにすぎない。いっそのこと、割引規制はすべて撤廃し、アメリカや韓国のように自由競争でキャリアに売らせるべきだ。