「iPhone Duo」を1週間使って分かった上質さとは?折りたたみスマホの実力を検証
iPhone Duoを1週間使って分かった上質さとは?折りたたみスマホの実力を検証

「iPhone Duo」を約1週間試用した。価格の話はひとまず置いておきたい。手が届くかどうかは大切な問題だが、それを中心に議論すると、あこがれのスポーツカーや高級時計といったものは作られなくなり、世界は想像の範囲内のものばかりがあふれるつまらない場所になってしまう。重要なのは、背伸びをして購入した人に「やっぱり買って良かった」と思わせる満足感を、ちゃんと与えられているか否かだ。

開閉時の質感とスタンバイモードの魅力

おおよそ1週間に及ぶiPhone Duoの試用期間は、常にそんな歓びにあふれていた。512GBモデル、スターホワイトを1週間ほど試した。

本体を開封するときの、すりガラスのような艶やかなアニメーションに始まり、開いた本体を閉じるとき、最後に磁石が両端を引き寄せて「カチッ」と嵌った音が鳴る感触。Appleのデザインチームが自負する内側のナノテクスチャーディスプレイの、「ヌルッ」と「サラッ」を組み合わせたような、いつまでも人差し指でなぞりたくなる「ヌルサラ」の感触。

いつも眺めているソーシャルメディアも、リクライニングチェアでくつろぐときに本体を開いて縦長に構えれば、普段より二回りほど大きな画面で楽しめる。見るのが快適で、なんだか少し優しい気持ちになれる。

本体を山型にして机に置くとスタンバイモードに切り替わり、卓上時計としても使える。アラームの時間になると、外面の画面が光って直接照らすのではなく、内側に向いた画面が机の天板を灯りのように明るく照らし、その反射光で起こしてくれる。この配慮には感動した。

縦に開くと「読む」が変わる

1週間使っていると、この端末の何が一番の強みなのかが見えてくる。人によって違うかもしれないが、筆者に最も効いたのは、開いた本体を縦長に構えるスタイルだ。

ソーシャルメディアのタイムライン、相手から届いたメール、Webページ、校正用のPDF。これまでのスマートフォンでも読めないわけではないが、小さな画面で長い文章を読むのはそれなりに疲れる。

しかし、このスタイルにすれば画面の面積は外面画面の約2倍になる。小さな文字が読みづらくなってきて、普段から画面を拡大して読んでいる人には、とりわけ魅力が伝わるはずだ。文字の読みやすさに困っていなくても、写真や図を大きく眺められる気持ちよさがある。

iPhone Duoで何といっても快適なのが縦開きモードだ。いつものiPhoneの画面が2倍に拡大されたようで、普段行っているメールの確認も、ソーシャルメディアのタイムラインのチェックも読み書きも目に優しく、快適になる。

よくある折りたたみスマートフォンでは、本体を開いた状態の画面が正方形に近い。そのため縦長のページを全体表示すると余白だらけになり、せっかくの2倍近い画面サイズを生かしていなかった。

それに対してiPhone Duoは、閉じた状態でも開いた状態でも、ほぼ同じ縦横比だ。開いたときの画面は、文庫本1ページ分(一般的なA6判)を少し大きくしたくらいのサイズ感だ。

電子雑誌を読むにはまだ小さいかもしれないが、電子コミックを1ページ単位で楽しむにはかなり相性がいい。見開きの絵が出てきたら、そのときだけ本体を横向きに構えて見開きを楽しむこともできる。

内側と外側の画面が近い縦横比でつながることも、使いやすさに関係している。対応するアプリでは、閉じた画面から開いた画面へ移っても、表示内容がズームされるように広がり、画面の形の違いによる無駄な余白が生じにくい。

横向きに開けば2つのアプリを並べて使える

横向きに開けば、2つのアプリを並べて使える。例えば、片方で動画を再生しながら、もう片方でメールをチェックするといった使い方が可能だ。折りたたみスマホというと、折り目が目立つか否かばかりを気にする人が多いが、iPhone Duoを使ってみると、実はそれよりも画面の縦横比の方がはるかに重要だったことに気付かされる。Duoに近い比率の折りたたみスマホは他社からも出ているが、AppleはOSも自ら作っている。閉じたときと開いたときの世界観をシームレスにつないでいるからこそ、この体験価値を生み出せている部分があると思う。