「iPhone Duo」を手に取れば、Appleの本気を誰もが感じるだろう。
「ここまでやる必要があるのか」「ここまでコストをかけるべきなのか」という点では議論の余地はあるが、ヒンジの質感や本体を閉じたり開いたり、その1つ1つの動作が「カチリ」と止まる感触に触れるまで、すべてに「こだわり」をもって作られていることが感じられる。この製品で新ジャンルを開拓する――その第1号の製品と位置づけて、Appleなりに力を入れているのだろう。
市場の情報と価格
市場の情報などもあり、iPhone Duoの日本における値付けはかなり高くなってしまった。このこと自体は偶然の要素もあるが、実際に手に取ってみると、コンシューマー向け製品として許されるコストの範囲内で、同社なりに最大限の価値を引き出そうとした痕が随所に見える。
その分だけ、ライバル(特にサムスン電子)のフォルダブル(折りたたみ)スマートフォンよりもやや厚く、重くなっているのも事実だ。だが、Appleは作り手として「ライバルを意識する」よりも「Appleとしての最高の製品」を目指したということもよく分かる。今後、世代を重ねる中で、かつての「MacBook Air」のようにカジュアルダウンもしていくと思われるが、新しい製品のスタート地点としては、まるでブランドバッグのピカピカのハードウェアに仕上がっている。
サイズ感と画面構成
サイズ感や画面构成的に、サムスン電子の「Galaxy Z Fold8」と比べたい読者もいるだろうが、iPhone Duoについては折り目を最小限にする工夫や、ナノテクスチャーによる反射の少ない画面の質感など、あらゆる部分にスペックには現れない細かな「質」の高さと違いを感じる。カメラの画質、スピーカーの品質や立体音響なども、実によく作り込まれている。
もちろん、ハードウェアをこだわって作り込んだからといって、新ジャンル端末市場を作り上げることができるかといえば、そう簡単な話ではない。しかし、発売に先んじてiPhone Duoを1週間ほど使ってきた中で、Appleが「スマートフォンを折りたたむ」ことに対して、どのような流儀で取り組んできたのか感じることができた場面も多かった。
今回の記事では、そんな「Appleの流儀」にフォーカスを当てて見ていきたい。