アップルの中国スマートフォン市場での苦戦が鮮明になっている。2025年第1四半期(1~3月)の販売台数が前年同期比で24%減少し、市場シェアも15.7%に低下した。一方、中国メーカーのVivoが17.0%で首位を維持、Huaweiが16.6%で2位に浮上するなど、地元勢の台頭が目立つ。
販売台数24%減、シェアは5位に後退
調査会社IDCのデータによると、2025年第1四半期の中国スマホ市場全体の出荷台数は前年同期比3.3%増の約6,930万台だった。その中でアップルは約1,090万台の出荷にとどまり、前年同期の約1,430万台から減少。市場シェアは前年の19.7%から15.7%に低下し、順位も2位から5位に後退した。
IDCのアナリストは「アップルは中国市場で厳しい競争に直面している。特にHuaweiの復活とVivoの安定した成長が影響している」と指摘する。アップルはiPhone 16シリーズを2024年秋に発売したが、同シリーズの販売は前モデルと比べて伸び悩んでいる。
Vivoが首位維持、Huaweiが急伸
首位のVivoは前年同期比で10%増の約1,180万台を出荷し、市場シェア17.0%を確保。2位のHuaweiは同26%増の約1,150万台で、シェア16.6%と前年の13.6%から大きく伸ばした。Huaweiは自社開発の半導体「Kirin」を搭載したスマホが好調で、特にハイエンドモデルが富裕層の支持を集めている。
3位にはHonorが約1,100万台(シェア15.9%)、4位にはXiaomiが約1,050万台(同15.2%)で続いた。上位5社のうち、アップルだけが前年割れとなる厳しい結果となった。
中国市場の構造変化とアップルの課題
中国スマホ市場では、中国政府による国産半導体推進政策や、国家安全保障を理由とした外国製品の規制強化が、アップルに逆風となっている。また、Huaweiが2024年8月に発売した「Mate 60」シリーズが、独自の5G対応チップを搭載して話題を呼び、高価格帯での競争が激化した。
さらに、中国消費者の間では「国産ブランド志向」が強まっており、特に若年層を中心にVivoやHuawei、Honorなどのブランドが支持を集めている。アップルは価格面での競争力も弱まっており、iPhone 16の販売開始当初から値引き販売が行われるなど、需要喚起に苦戦している。
アップルは中国市場の重要性を認識しており、2024年に上海に新たな研究開発拠点を開設するなど、現地でのプレゼンス強化を図っている。しかし、地元企業の技術力向上と消費者心理の変化が、アップルの巻き返しを難しくしている。



