Appleは7月17日(現地時間)、音楽ストリーミングサービス「Apple Music」とバンドルサービス「Apple One」のサブスクリプション料金を、日本を含む世界各国で値上げした。日本では同日、iPhoneおよびApple Watchの価格も引き上げられている。
値上げの背景と詳細
Appleの公式サイトにはこの件に関する発表は出ていないが、英Music Business Worldwideへの声明で「ライセンス料の高騰に伴い、Apple Musicの購読料を本日から値上げする」と述べた。公式サイトの価格は本稿執筆時点で既に新価格に更新されている。
新たな価格改定内容は以下の通り。Apple Musicのファミリープランの値上げ幅は300円だ。
- Apple Music 個人プラン: 月額1,080円(旧価格980円)
- Apple Music ファミリープラン: 月額1,680円(旧価格1,480円)
- Apple Music 学生プラン: 月額580円(旧価格480円)
- Apple One 個人プラン: 月額1,600円(旧価格1,400円)
- Apple One ファミリープラン: 月額2,200円(旧価格1,950円)
- Apple One プレミアプラン: 月額3,600円(旧価格3,200円)
4年ぶりの値上げ、前回も同じ理由
Apple MusicとApple Oneの値上げは2022年10月以来、約4年ぶりとなる。当時も値上げの理由をライセンス料の高騰と説明し、さらに、この値上げで「アーティストやソングライターは、より多くの収入を得ることができるようになる」としていた。
今回の値上げについて、Appleは「ライセンスコストの上昇に対応するため」と説明しており、アーティストへの還元を強調している。音楽業界では、ストリーミングサービスの収益分配を巡る議論が続いており、Appleの今回の措置はアーティスト側からの支持を得る可能性がある。
iPhoneやApple Watchも同時値上げ
Appleは7月18日、国内のApple Storeにおいて、iPhone、Apple Watch、AirPodsを値上げした。同社は6月にもMac製品の値上げを行っていたが、iPhoneなどは対象外となっていた。ただし、海外のApple Storeでは価格改定されておらず、今回の値上げは為替修正によるものと見られる。
具体的な値上げ幅は、iPhone 16 Pro Maxが約1万円、Apple Watch Series 10が約5,000円、AirPods Pro 2が約2,000円など、機種によって異なる。これにより、日本国内のApple製品は全般的に価格が上昇し、消費者の負担が増すことになる。
中古市場への影響
値上げに伴い、中古スマートフォン市場ではすでに需要が高まっている。Belongは6月30日、中古スマホ販売・買取サービス「にこスマ」で、6月25日のApple価格改定後3日間の販売台数が直前3日間比16%増えたと発表した。iPhone本体は値上げ対象外となったが、平均単価も14%上昇しており、中古市場に先回り需要が出ているとみる。
この傾向は、Apple MusicやApple Oneの値上げによってさらに加速する可能性がある。消費者は、サブスクリプション料金の上昇に加え、デバイス価格の上昇にも直面しており、総合的な支出増加が懸念される。
Mac、iPad、Apple TV、HomePodも値上げ
Appleは6月25日、国内のApple StoreでMacやiPad、Apple TV、HomePodの販売価格を引き上げた。Mac製品の場合、ノートだけでなくデスクトップも対象。例えば、3月発売の「MacBook Air」(M5)は、ベースモデルが18万4800円から22万4800円に引き上げられた。
これにより、Apple製品の価格は全体的に上昇傾向にあり、今後の製品ラインアップにも影響を与える可能性がある。Appleは為替変動や部品コストの上昇を理由に、定期的な価格改定を行っている。
Apple TV+も値上げ、バンドルサービス全体に影響
AppleはApple Musicの一部のプラン、Apple TV+、Apple Oneをグローバルで値上げした。日本でも既に新価格になっている。Apple TV+は月額で300円の値上げだ。
Apple TV+の値上げにより、Apple Oneプレミアプランの価格も連動して上昇した。これにより、Appleのエコシステムに依存するユーザーは、複数のサービスを利用するほど負担が大きくなる。
業界への影響と今後の見通し
Appleの値上げは、競合他社の動向にも影響を与える可能性がある。SpotifyやAmazon Musicなどの競合サービスも、同様の理由で値上げに踏み切るケースが増えている。音楽ストリーミング市場全体として、価格上昇が続くことが予想される。
また、Apple Oneの値上げは、iCloudストレージやApple Arcade、Apple Fitness+などのサービスにも波及効果をもたらす。ユーザーは、個別のサービスを選ぶか、バンドルを維持するか、判断を迫られることになる。



