住友電工は2026年9月、レドックスフロー電池「V40シリーズ」に2MWのモデルをラインアップに加えると発表した。既に販売している1MWモデルを2台組み合わせる場合と比較して、システム全体のコストを抑えられるという。
2MWモデルの特徴とメリット
レドックスフロー電池は不燃性の電解液を利用し、消防法上の危険物に該当しないなど、安全性に優れるという特長を持つ。また、電解液の量を変えることで最大貯電容量をニーズに応じてアレンジできるほか、充放電を繰り返しても電解液や電極の劣化が生じないというメリットがある。こうした特性から、昨今日本でも需要が高まっている「長期エネルギー貯蔵システム(LEDS)」向けの選択肢として注目されている。
住友電工のV40シリーズは、最長30年間の長期運用が可能なのが特徴。2025年に1MWのモデルを発表して以降、2MWのモデルも求める声が多く、今回ラインアップを拡充した。1MWシステムを2つ組み合わせる構成する場合と比べ、交流側の変圧器や高圧ケーブルなどの受変電設備を集約できるため、部材コストや工事費を削減できるとしている。
対応可能な構成とサイバーセキュリティ
今回新たに販売する2MWのモデルを利用する場合は、4時間(容量8MWh)、6時間(12MWh)、8時間(16MWh)の放電に対応する構成が基本となる。放電時間を10時間以上に拡張したシステムにも対応可能だという。なお、サイバーセキュリティ要件であるJC-STAR※1も取得済みだ。
※1:制御系セキュリティ認証制度
長期脱炭素電源オークションへの対応
昨今、こうした大型の定置用蓄電池の需要が高まっている背景の一つが、脱炭素電源への新規投資の促進を目的に2023年度からスタートした「長期脱炭素電源オークション」の登場だ。
2025年度の約定結果では蓄電池の案件が19件、合計1251MWの落札となった。このうちリチウムイオン蓄電池を用いる案件は10件551MW、残る9件700MWは「リチウムイオン以外」の区分での落札となっている。この700MWのうち、約300MWは住友電工のレドックスフロー電池が採用されるなど、引き合いは好調に拡大しているという。
住友電工では安全性や長期運用への耐性を強みに、長期脱炭素電源オークションや系統用蓄電池向けに加え、マイクログリッドや公共施設などのバックアップ電源、工場や事業所などへの設置ニーズに向けて幅広く提案を進める方針だ。



