半導体産業のサプライチェーンに、新たな分断の兆しが見え始めている。米中対立の激化や地政学リスクの高まりを受け、各国政府が半導体の国内生産を強化する動きを強めているためだ。
国際的な半導体戦略の変化
米国は半導体の国内生産を促すため、補助金を拠出する法律を成立させた。また、欧州連合(EU)も半導体の自給率向上を目指す計画を打ち出している。こうした動きは、半導体のサプライチェーンが従来のグローバルな分業体制から、地域ごとに自立した体制へと移行することを意味する。
これまで半導体は、設計、製造、組み立て、検査といった工程が国境を越えて最適化されてきた。しかし、地政学リスクを考慮し、各国が重要部品の供給確保を優先するようになったことで、サプライチェーン全体の効率性が低下する可能性がある。
日本企業への影響
日本も半導体産業の復興を目指し、政府が補助金を投入して国内生産を支援している。しかし、こうした動きは、結果として世界の半導体市場の分断を加速させることにつながる。
日本の半導体関連企業は、これまで海外の顧客やパートナーと緊密に連携してきた。しかし、新たな分断の動きは、そうした関係に影響を及ぼす可能性がある。
半導体サプライチェーンの再編は、今後も続くとみられる。企業は、地政学リスクを踏まえた戦略的な対応が求められている。



