半導体不足が深刻化、自動車生産に影響拡大
半導体不足深刻化、自動車生産に影響拡大

世界的な半導体不足が自動車業界に深刻な影響を与えている。トヨタ自動車は2025年2月に国内の全14工場28ラインのうち、一部ラインを最大で9日間停止することを発表した。日産自動車も同月、国内工場での減産を余儀なくされている。半導体の供給回復は2025年後半までずれ込む見通しで、自動車生産の先行きは不透明だ。

トヨタ、2月に国内全工場で一部停止

トヨタは2025年1月、2月の国内生産計画を発表し、対象期間中に一部ラインを停止すると明らかにした。停止期間は最大で9日間に及び、対象となる車種は「カローラ」や「プリウス」など人気モデルが中心だ。同社は「半導体部品の供給遅延が原因」と説明している。トヨタの広報担当者は「状況を注視し、生産計画の柔軟な見直しを続ける」とコメントした。

今回の停止は、トヨタが2024年に掲げた世界生産目標1000万台の達成に影を落とす。2024年の世界生産台数は前年比で約5%減の950万台に留まる見込みで、半導体不足が長期化すればさらなる下方修正も避けられない。

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日産も減産、供給網の脆弱性露呈

日産自動車も2025年2月、国内の追浜工場(神奈川県)と栃木工場(栃木県)で減産を実施する。対象は「ノート」や「エクストレイル」などで、生産台数は通常比で最大20%減少する見通しだ。日産の幹部は「半導体調達の多様化が急務」と述べ、供給網の脆弱性を認めた。

両社の減産は、2024年末からの半導体需給の逼迫が原因だ。特に車載用マイコンやパワー半導体の不足が顕著で、自動車メーカーは在庫の切り崩しで対応してきたが、限界に達している。

供給回復は2025年後半か、業界全体に波及

半導体業界の調査会社によると、車載半導体の供給が正常化するのは2025年後半以降と予測される。台湾のTSMCや韓国サムスン電子などの大手ファウンドリーが増産に動いているが、生産能力の拡大には時間がかかる。米中対立による輸出規制の影響もあり、半導体の安定調達は依然として困難だ。

この影響は自動車業界全体に広がっている。ホンダは2025年1月に埼玉製作所で一部ラインを停止、スズキも静岡県の工場で減産を余儀なくされた。業界団体の日本自動車工業会は「2025年の国内自動車生産台数は前年比で3〜5%減少する可能性がある」と試算する。

自動車メーカー各社は、半導体の内製化や長期契約の締結など、調達戦略の見直しを迫られている。トヨタは2024年、車載半導体の設計・開発を強化する方針を打ち出したが、量産体制の構築には数年を要する。当面は供給制約が続き、消費者への納車遅延や価格上昇が懸念される。

政府も対策、国内半導体投資を促進

経済産業省は2025年度予算案に、国内半導体工場の建設支援として5000億円を計上した。補助金を通じて、ルネサスエレクトロニクスやキオクシアなどの既存企業の増産を促すほか、台湾TSMCの熊本工場への追加支援も検討中だ。しかし、生産能力の拡大が実を結ぶのは早くとも2026年以降とみられる。

自動車業界の半導体不足は、2020年からのパンデミック以降、断続的に続いている。今回の事態は、日本の製造業が抱える供給網の脆弱性を改めて浮き彫りにした。各社は短期的な生産調整を余儀なくされる一方、中長期的な半導体調達の安定化に向けた投資競争が加速している。

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