NVIDIA、GPU製造でTSMC依存脱却へ
半導体業界に詳しい複数の関係者によると、NVIDIAは次世代GPUの製造委託先として、従来のTSMC(台湾積体電路製造)に加え、Intel Foundry(インテル・ファウンドリー)を新たな候補として検討していることが分かった。これは、同社のサプライチェーン多様化戦略の一環とみられる。
現在、NVIDIAのGPUはほぼ全てがTSMCで製造されている。しかし、地政学的リスクや供給逼迫への懸念から、同社は長年、製造委託先の複数化を模索してきた。Intel Foundryは、インテルが2021年に発表したファウンドリー事業で、最先端プロセス技術を外部顧客に提供することを目指している。
Intel Foundryの技術力と課題
Intel Foundryは、Intel 4やIntel 3といった先進プロセスを擁し、特に高性能コンピューティング向けに強みを持つ。しかし、同社はこれまで主に自社製品の製造に注力してきたため、外部顧客への大規模な供給実績は限られている。NVIDIAのような大口顧客の需要を満たすには、生産能力や歩留まりの向上が課題となる。
関係者によると、NVIDIAはIntel Foundryとの協議を進めており、2025年以降の製品で一部のGPUをIntelに委託する可能性があるという。ただし、最終決定はまだ下されておらず、品質やコスト、供給安定性などを総合的に評価している段階だ。
業界への影響と今後の見通し
NVIDIAがIntel Foundryを採用すれば、半導体業界の勢力図に大きな変化が生じる可能性がある。TSMCは現在、GPU市場で事実上の独占状態にあるが、競争が生まれることで価格や技術革新の促進が期待される。一方、Intelにとっても、NVIDIAのようなトップクラスの顧客を獲得できれば、ファウンドリー事業の信頼性向上につながる。
アナリストの一部は、「NVIDIAがIntel Foundryを採用するかどうかは、Intelの製造技術の進捗と、TSMCとのコスト競争力に依存する」と指摘する。また、地政学的リスクを考慮すると、台湾以外の製造拠点を持つIntelの利点は大きいとみられる。
NVIDIAとIntelの両社は、この件について公式コメントを控えている。しかし、業界関係者の間では、早ければ2024年後半にも具体的な動きが出るとの見方が広がっている。



