米ニューヨーク市マンハッタン地区で7日、建設工事中の37階建て高層ビル内部で構造柱が折れ曲がっていることが判明し、当局が周辺地域を封鎖して避難を実施した。朝の通勤ラッシュ時に緊急対応チームが現場に急行し、近隣のホテルや企業、住宅から人々が避難した。
旧ファイザー本社ビルで住宅転用中に発生
問題のビルはグランド・セントラル駅や国連本部近くに位置し、大手製薬会社ファイザーの旧本社ビル。現在、オフィスから住宅に転用する大規模な増築工事が進められており、開発業者メトロロフトによれば、この転換工事はニューヨーク市史上最大規模で、完成後には約1600戸の賃貸住宅が市場に供給される予定だ。
開発業者は「建物全体が倒壊する危険性はない」と主張しているが、市当局は修復作業の安全確認を進めており、状況は依然として深刻だと警告している。
市長「複数のひび割れと柱の座屈」
ゾーラン・マムダニ市長は記者会見で、「複数のひび割れや床のたわみに加え、2本の構造柱が座屈している。建物は不安定な状態にある。当局者到着後、損傷した柱の1本にさらなる変形が確認された」と述べた。負傷者は出ておらず、工事作業員全員の無事が確認されている。市長は「完全に安全だと確信できた時点で、人々はこれらの建物に戻ることができる」と説明した。警察と消防隊が現場に駆け付け、周辺道路は封鎖され、被害状況確認のためにドローンが投入された。
専門家「増築が負荷に」 作業員「梁が曲がった」
地元の配管工組合「Steamfitters Local 638」のクリフォード・ジョンセン代表は、既存のオフィス構造の上層に新たな階を増築したことが支持構造に負荷をかけた可能性を指摘。「増築が繰り返されて重さが加わる。設計や施工が不適切ならこうした事態が起こる。私は21年建設業界にいるが、梁が真っ二つに曲がっているのは見たことがない。これはかなり危険な状態だ」と述べた。
現場で作業していたエディさん(28歳)は「私は下の階にいた。みんなが降りてくるのが見え、その直後に柱が折れ曲がったことを知らされた」と避難状況を説明。別の作業員は「21階から25階あたりまでの梁が曲がり、一部が崩れ落ちたため、全員が急いで外に出た」と話した。建設作業員らが共有した動画には、折れ曲がったとみられる柱が捉えられている。
影響は限定的か 開発業者は安全強調
開発業者メトロロフトは「影響を受けたのは敷地内2棟のうち1棟の狭い区域」とし、「消防局報道官が指摘した通り、建物全体が倒壊する危険性はない」と強調した。市当局は引き続き建物の安全性を評価し、修復計画を進める方針だ。



