日本政府、半導体国内生産強化へ新戦略 2030年に売上高15兆円目標
半導体国内生産強化へ新戦略 30年に売上高15兆円

経済産業省は13日、半導体の国内生産基盤を強化するための新たな戦略「半導体・デジタル産業戦略」を発表した。2030年までに国内半導体関連の売上高を現在の約5兆円から15兆円に引き上げる目標を掲げ、次世代半導体の研究開発や製造拠点の整備、人材育成に総額10兆円規模の官民投資を行う方針を示した。

戦略の背景と目標

同戦略は、世界的な半導体需給の逼迫や地政学的リスクの高まりを受け、経済安全保障の観点から国内生産基盤の強化が急務となっていることを背景に策定された。経産省は「半導体はデジタル社会の基盤であり、安定供給の確保は国家戦略上の重要課題」と説明する。

具体的な目標として、2030年に国内半導体売上高15兆円を達成するほか、先端ロジック半導体の国産化、パワー半導体やセンサーなどで世界シェア3割以上を目指す。また、半導体関連の人材を現在の約30万人から2030年には40万人に増やす目標も掲げた。

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重点分野と投資計画

戦略では、5分野を重点領域に指定。①先端ロジック半導体の設計・製造、②メモリ、③パワー半導体、④センサー、⑤半導体製造装置・材料の各分野で、官民連携による研究開発や設備投資を促進する。

投資計画では、官民合わせて今後10年間で総額10兆円規模の投資を見込む。このうち、政府は半導体関連予算として2023年度補正予算で約3兆円を計上済みで、今後も継続的な支援を行う方針。民間企業には、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンや材料メーカーの信越化学工業などが積極的な投資を表明している。

次世代半導体の研究開発

特に注力するのが、2ナノメートル以降の次世代半導体技術の研究開発だ。経産省は、産業技術総合研究所や東京大学、ルネサスエレクトロニクスなどと連携し、先端半導体技術センター(仮称)を2024年度中に設立する計画。同センターでは、日米連携も視野に入れ、米国国立半導体技術センターとの協力も検討する。

また、半導体の設計技術の高度化も重要課題。経産省幹部は「日本は製造技術に強みを持つが、設計分野での競争力強化が不可欠」と指摘する。設計人材の育成や、オープンソースの設計ツールの活用促進なども盛り込まれた。

人材育成と国際連携

人材育成では、大学や高専における半導体教育プログラムの拡充や、企業との連携による実践的な研修制度の創設を計画。2030年までに半導体関連の技術者を5万人増やす目標を掲げる。

国際連携では、米国や欧州、台湾などとの協力関係を強化。特に、台湾のTSMCや米国のインテルとの協業を進め、国内での先端半導体製造拠点の整備を加速する。経産省は「国際的なサプライチェーンの多様化と強靭化を図る」としている。

産業界の反応

この戦略に対し、半導体業界からは「長期的なビジョンを示した点は評価できるが、具体的な実行計画が重要」との声が上がる。日本半導体工業会の幹部は「政府の支援を活用し、国際競争力を高める努力を続ける」とコメントした。

一方、専門家からは「目標達成には官民の強力な連携と、継続的な投資が不可欠」との指摘もある。半導体市場の動向や技術革新のスピードを考慮した柔軟な戦略の見直しも求められそうだ。

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