生成AI(人工知能)需要の活況を受けて、半導体業界は市場拡大に沸いている。世界半導体市場統計(WSTS)は、2026年の半導体市場規模を前年比90%増の1兆5112億ドル(約240兆円)と予想。続く2027年も1兆9136億ドル(約300兆円)と伸びが続く見込みだ。
急速な成長に伴い、半導体メーカーだけでなく装置メーカーや材料メーカーなど、サプライチェーン全体が対応に追われている。すでに複数の課題が顕在化しつつあるが、特に深刻なのが人手不足だ。
半導体産業の従業員数は3割減少
電子情報技術産業協会(JEITA)によると、ピーク時の1999年に23万0861人だった半導体関連産業の従業員数は、2019年には16万8002人へと3割減少した。
1980年代にはNECや日立製作所、東芝などの総合電機メーカーが世界半導体市場のシェア50%を握っていたが、1990年代に入ると米インテルや韓国サムスン電子などの躍進を受け、日本勢は「敗戦処理」へと移っていく。
1999年には日立製作所とNEC、三菱電機がDRAM事業を分離したエルピーダメモリが誕生するが、2012年に経営破綻。同じく日立、NEC、三菱電機の半導体部門を統合したルネサスエレクトロニクスも発足したものの、2013年に政府系ファンドの産業革新機構が主導する経営再建で大規模なリストラが行われ、業績回復までに約10年を要した。
今後10年で4.3万人の追加需要
英調査会社オムディアの南川明シニアディレクターは「日本の半導体メーカーが大規模なリストラをしたことで韓国などの外資系に人材が流出したり、他の業界に転職してしまった」と指摘する。
しかし生成AI需要の高まりを受けて、半導体人材へのニーズは急速に高まっている。日本ではキオクシアやソニー・セミコンダクタソリューションズ、ルネサスエレクトロニクスといった主要半導体メーカー9社が、今後10年で4.3万人の半導体人材が追加で必要になるという。
アメリカも同様で、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーや半導体の国際業界団体SEMIなどが7月にまとめた調査によると、アメリカ国内では2030年までに最大で15万7000人の半導体関連の熟練労働者が不足すると予測している。



