文部科学省が進めるGIGAスクール構想(1人1台の端末でICTを活用する教育の推進)は、今やAIとの連携を強めつつ個別最適な学びへと新たな段階に突入した。教科書や学習指導要領のデジタル化で、教育界のDX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れを挽回しようというのである。AIを教育に導入すれば学習は効率化するという見方が前提だが、それで本当に政策当局の望む「学ぶ力」が育つのか。
DXの前提に潜む問題
政府の掲げるソサエティ5.0構想以来、DXはその重要な柱の1つであり、遅れを挽回することに異論はない。だが、そこにはいまだ先進国に追いつき追い越せのマインドセットが埋め込まれている。追いつくことを優先するあまり、すでに他国では慎重な議論が行われていることにはほとんど目を向けない。
海外での警戒と「メタ認知的怠惰」
海外ではDXと同時に、その副作用を制度的に管理する議論が始まっている。EU(欧州連合)は、巨大プラットフォームに「子どもを保護する義務」を課す。さらにAIチャットボットについても子どもへのリスクを検討し始めている。AIやICTへの警戒は日本よりも格段に進んでいる。
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