Windows 11には、複数のバックアップ機能が搭載されている。従来のWindowsから引き継がれた互換性のための機能も残っており、ユーザーは状況に応じて選択できる。
従来のバックアップ手法の変遷
過去には、ハードディスクのパーティションイメージを保存し、それを書き戻す方法が一般的だった。これはファイルアクセスよりも効率的で、バックアップ時間を最適化できたためである。しかし、ハードディスク容量の増加に伴い、大容量の保存先が必要となり、バックアップが困難になった。
Windows 8では、Windows自体の再インストールが簡単になり、回復パーティションを作成してイメージを記録できるようになった。Windows 10からは「メディア作成ツール」でインストール用メディアを容易に作成可能となった。これにより、バックアップにシステム部分を含める必要がなくなり、ユーザー設定やデータ、アプリケーションに焦点が移った。
バックアップ機能の多様化
バックアップは単独のプログラムではなく、対象別に機能が分かれている。システムが起動しない場合の「システムイメージの作成」や、設定を以前の状態に戻す「復元ポイント」は、トラブル対策的な機能といえる。アプリケーションについては、Microsoftストア経由のものは再インストール後に自動復元されるが、従来のインストーラーを使ったクラシックアプリは手動で再インストールが必要だ。ただし、wingetを使えばインストール済みプログラムの一覧を取得し、再インストールが可能であり、タスクスケジューラーで定期実行もできる。
「ファイル履歴」はユーザーデータを履歴付きで保存し、複数ドライブで冗長性を向上させる「記憶域」と組み合わせることでデータを安全に保つ。
マイクロソフト推奨の「Windowsバックアップ」
現在マイクロソフトが推奨するのは、Windows 11で搭載された「Windowsバックアップ」だ。これはデータの保存先にクラウド(OneDrive)を使用する。ユーザーデータは「ドキュメント」などのKnownフォルダが対象で、OneDriveの同期フォルダと同様に、変更が即座にクラウド側に反映されるため、最新の状態に近いデータを取得できる。ただし、業務用のOfficeサブスクリプション契約がない場合、OneDrive同期フォルダにフォルダを置くかどうかが異なる。
Windowsバックアップは、システム設定の一部も保存可能で、有効にすれば自動的にバックアップ処理が行われ、再インストール後に復元の有無を確認する。一度有効にすれば、ユーザーはほとんど意識せずに利用できる。詳細なバックアップ対象は、マイクロソフトのサポートページ「Windowsバックアップ設定カタログ」で解説されている。



