パナソニックホールディングス(HD)は20日、次世代型の「ペロブスカイト太陽電池」の本格量産を1年前倒しし、2029年4月に始めると発表した。建材ガラスと一体化したタイプで、今年9月に先行量産品の販売を始めており、事業化を進める。
ビルの窓や壁を発電設備に
ペロブスカイト太陽電池は薄くて軽く、さまざまな場所に設置できるのが特徴。パナソニックHDのガラス型は耐久性やデザイン性を高め、既存の太陽光パネルを設置しにくい窓や手すりにも使えるという。
吉川祐一コーポレートR&D戦略室長は「(ビルなどの)今まで使えていなかった面を発電に使えるよう変えていく」と述べた。
量産前倒しの背景と生産拠点
技術開発の進展や需要の高まりを受け、当初は30年度に予定していた本格量産を前倒しした。先行品は大阪府守口市で製造し、本格量産は滋賀県長浜市に整備中の拠点で始める。
商品名は「エネフェイス」。発電層をガラスに塗り、レーザー加工で透明度や模様を調節できる。量産品は当初は縦1.8メートル、横1.2メートルとなる予定。
採用事例と課題
今年9月に神戸市の港湾施設で運用を始め、27年12月完成予定の阪急阪神不動産のビルにも採用される。
一方、価格や耐久性が課題となっており、現時点の価格は通常の建築ガラスと比べて数倍高い。担当者は「まずは5倍以下をスタート価格にできるよう取り組んでいる」としている。
他社の動き
他社でもペロブスカイト太陽電池の事業化が進む。積水化学工業はフィルム型を今年事業化し、27年度に年100メガワット規模の生産ラインを立ち上げる。カネカも28年度に販売を始める計画だ。