量子技術を学べるカードゲーム教材を大阪大が開発、寄付募る
量子技術学べるカードゲーム教材を大阪大が開発、寄付募る

大阪大学社会技術共創研究センターのグループが、量子技術について学ぶカードゲーム教材を開発した。11月20日まで、普及のための寄付を募っている。

量子技術への理解を深める狙い

量子コンピューターや量子センサーなど、新しい量子技術の開発が急速に進んでいる。創薬や物流を革新させる可能性がある一方で、既存の暗号が解読されるリスクもあるという。しかし、どのような技術で、どう社会を変える可能性があるのか、一般にはなじみが薄い。

そこで、専門家だけでなく、幅広い人に科学技術と社会の未来について想像し、考える力を身につけてほしいと、カードゲームを開発した。

「クオンタム・クエスト」の内容

「クオンタム・クエスト」と名付けたカードゲームで、参加者は大国や国家連合の役で、さいころを振り、量子技術を開発していく。量子技術への投資が冷え込んだり、既存の暗号が解かれたりといった事態に直面しながら、技術開発を模擬体験する。ゲーム終了後に、参加者は議論して、技術の未来を考える。

ゲームの目的の一つは、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)や責任ある研究・イノベーションの観点から体験的に学ぶことだ。

開発の背景と寄付の呼びかけ

開発を進めた森下翔講師は文化人類学者で、異なる文化をもつ民族を研究するように、科学の現場に入り込み、観察調査してきた。いわば、研究者の「民族誌的調査」だ。量子技術の現場は進歩が早く、政策やビジネスもからんで複雑で、その一端を形にしたゲーム教材という。試作品を国際学会で専門家らに試してもらったところ、好評を博したという。

「カードゲーム教材を高校などに配って、未来の技術を考えるきっかけに使ってほしい」と、クラウドファンディングで寄付を募っている。詳細は(https://readyfor.jp/projects/Quantum-Quest)。