南海次期空港特急、ピニンファリーナ起用のきっかけはスイスMOBとの姉妹鉄道協定
南海次期空港特急、ピニンファリーナ起用のきっかけはMOBとの縁

南海電鉄が次期空港特急のデザインを依頼したイタリアのデザイン会社ピニンファリーナ社は、起用のきっかけについて、同社とスイスのモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(MOB)との長年にわたる関係にあったと明かした。

ピニンファリーナ社は「最初の話し合いから、私たちは共通のビジョンを共有していることが明らかになりました。それは、デザインを通して永続的な価値を創造し、世代を超えて愛される体験を提供し、革新性と伝統への深い敬意を融合させることです」と説明。「こうした価値観の一致がパートナーシップの基盤となり、最終的にピニンファリーナが南海電鉄の新型車両のデザインを手掛ける企業として選ばれることにつながりました」と語った。

姉妹鉄道協定が生んだ接点

南海電鉄とMOBは2017年10月に姉妹鉄道協定を締結している。高野線の特急「こうや」の走行距離63.8kmはMOBの本線とほぼ同じで、最急勾配50パーミルの山岳区間を持つなど、沿線の世界遺産や絶景、美食など共通点が多いことが締結の背景にあった。

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協定後、MOBは2018年から高野山をイメージしたラッピング列車を運行。南海電鉄も車内ポスターの掲出やケーブルカー高野山駅の展示コーナー設置などで交流を深めた。2024年3月からは特急「ラピート」の50000系第4編成に「ゴールデンパス・エクスプレス」のデザインをラッピングした「MOBラピート」を運行している。

「ゴールデンパス・エクスプレス」に息づくピニンファリーナの美学

「ゴールデンパス・エクスプレス」はモントルーからインターラーケンまで3時間15分で結ぶ観光特急列車。軌間の異なるMOBとBLS鉄道を軌間可変台車で直通運転する。客車はシュタッドラー・レール社製で、特徴的な先頭部をピニンファリーナがデザインした。

編成の先端部分は丸みを帯びつつ、窓の両側はエッジを効かせた曲線が屋根まで続く。大きな緩衝器を備えた連結器部分はボディが左右から抱え込むように張り出し、ヨーロッパの客車列車の伝統とピニンファリーナの美学を融合させている。

「機能美」を追求するデザイン哲学

ピニンファリーナ社は鉄道車両の設計原則について「美しさ、機能性、そして乗客体験のバランスを追求しています」と回答。「時代を超越したデザイン、人間のニーズへの配慮、そして強いアイデンティティに基づいています」とし、「感動、快適さ、そして優雅さを伝えることを目指しています」と述べた。

同社は新型車両のデザインについて「まだ公表されていないため」コメントを差し控えた。次期空港特急のエッセンスは「ゴールデンパス・エクスプレス」に見出せるかもしれない。

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