群馬県の上毛電気鉄道では、京王電鉄井の頭線で活躍した「湘南顔」の電車が今も現役で走っています。赤城山を横目に、沿線の住宅街や田園地帯をコトコトと進む姿が、地元の足として親しまれています。
中央前橋駅と西桐生駅を結ぶ25.4キロ
上毛電気鉄道は、中央前橋駅(前橋市)と西桐生駅(桐生市)の間、25.4キロを50分前後で結んでいます。全線単線で、列車は2両編成。総駅数は23と多く、駅間は数百メートルから2キロほどです。平日朝のラッシュ時を除いて車内に自転車を持ち込めるなど、地域の交通機関として重用されています。
開業から100年近い歴史
営業開始は1928年(昭和3年)で、100年近い歴史があります。開業時から変わらない施設が多く、駅舎、車庫、鉄橋、送電設備など12件が国の登録有形文化財に指定され、今も現役で使われています。
木造の大胡電車庫(前橋市)には工作室や各種工具が残り、かつての鉄道員たちの息遣いが感じられます。構内には、開業時に導入され今も動く古参車両「デハ101」が大切に保存されています。モダンな洋風建築の西桐生駅は、屋根中央部の緩やかな勾配が特徴で、「関東の駅百選」にも選ばれました。
現在の車両は8編成
現在、営業運行に使用されている車両は8編成(16両)で、うち5編成は京王電鉄井の頭線で活躍したステンレス製車両を再利用した「700形」です。前面二枚窓のいわゆる「湘南顔」で、ワンマン運転に対応できるよう改造されています。いずれも1960年代製造のベテラン車両ですが、元気に快走しています。
残りの3編成は、東京メトロ日比谷線の車両を再利用した「800形」で、2024年から順次運用されています。沿線住民の暮らしを守る小さな電車は、今日も赤城山を横目に走り続けています。



