仏壇や墓もサブスクで定額利用、承継や管理の負担軽減へ
仏壇や墓もサブスク、定額利用で承継や管理の負担軽減

仏壇や墓を定額で利用できるサブスクリプション(定額利用)サービスが登場し、供養の気持ちはあるものの、承継の不安や管理の負担を避けたい人たちの注目を集めている。

購入せず月額約2700円で利用

福岡県の男性(48)は、今年1月に病気で亡くなった父親の仏壇を購入せず、仏壇販売大手「はせがわ」(東京)の定額利用サービス「買わないお仏壇 tutumuプラン」を利用している。35種類ある新品の仏壇から好みのものを選び、月額の利用料を払えば、1~4年間利用できる。契約終了後は、延長、買い取り、引き取り・供養のいずれかを選べる。

男性は、小型でモダンなデザインの仏壇を月額約2700円で契約。集合住宅で一人暮らしをしている母親(78)宅の棚に置いている。母親は周囲に花などを供え、毎日、手を合わせているという。

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男性は「拝める仏壇があることで、母も私も父を思い出せる。仏壇を受け継いでいけるかも分からず、引き取ってもらえることも安心感がある」と話す。

550件超の契約、全国展開へ

同社によると、「買わないお仏壇」は、5、6年前から「買うお金がない」「子どもに迷惑になる」「高齢者施設に持ち込めるか心配」という声が聞こえ始めたのをきっかけに考案した。2023年から、九州と首都圏などの一部地域で順次提供を始めたところ、契約件数はすでに550件を超えたという。

「少子化や核家族化で仏壇を代々受け継ぐことが、今の生活様式に合わなくなった。心のよりどころとして仏壇が必要と思っても、所有はしたくないという人が増えている」と、同社社長の新貝三四郎さん(63)。来春から全国展開する予定という。

サブスク型の墓も登場

サブスク型の墓も登場している。仏壇・仏具専門店「佛英堂」(三重)が全国40の寺院と手がけるサービス「偲墓」は、骨つぼと一体になった高さ約20センチの墓と日常の管理、十三回忌までの法要などをセットにしている。初期費用38万5000円と月額3300円で利用できる。

墓は転勤などで転居した際に、近くの提携寺院に移すことも可能。解約後は合葬墓に移され、永代供養をしてもらえる。同店によると、墓地の区画に設置する一般墓と比べて、初期費用は4分の1程度。寺の檀家になったり、お布施を払ったりする必要もないという。

同店代表の野呂英旦さん(40)は「管理や承継、しきたりへの不安を減らしつつ、供養を続けられる墓。遠方の墓参りに困っている人などが契約している」と説明する。

供養に合理性求める人が増加

終活関連サービス会社「鎌倉新書」(東京)が今年1月に実施した「お墓の消費者全国実態調査」によると、お墓を選ぶ際に重視したポイント(複数回答)は多い順に、「お墓の種類」(50%)、「金額」(43.9%)、「継承者不要」(38.8%)だった。

同社執行役員の太島悠輔さんは「墓に限らず、供養に経済的な合理性や負担の少なさを求める人が増えている。サブスク型の供養サービスはそうした中で登場しており、新たなニーズに応える受け皿になるかもしれない」と話す。

葬送問題に詳しい、僧侶でジャーナリストの鵜飼秀徳さんは「散骨して墓を持たなかったり、墓じまいや仏壇じまいをしたりする人もいるが、形のある墓や仏壇に手を合わせることで、自分のルーツや故人と向き合い、気持ちを整理できる。多様な供養のあり方があっていいが、その意味に思いを巡らせてほしい」と話している。

トラブル相談も増加

国民生活センターによると、墓や仏壇のトラブルに関する相談は、毎年1000件ほど。今年度は8月末時点で、墓で400件、仏壇で32件の相談が寄せられ、いずれも前年同期を上回っているという。

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「価格やサービス内容について十分な説明がない」「解約時に高額な料金を請求された」など、契約にまつわる相談が目立つ。同センターの担当者は「墓や仏壇などの契約をする際には、明細も含めて書面で残すことが大切。契約時の状況が不明なまま受け継いだ墓や仏壇の処分費用などに納得いかない場合は、消費生活センターに相談してほしい」と話している。