EU、Appleに是正措置要求へ iPhone競合製品との相互運用性義務化
EU、Appleに相互運用性義務化へ

欧州連合(EU)の欧州委員会は2024年12月19日、米Appleに対して、iPhoneと競合他社のスマートウォッチやヘッドホンなどのデバイスとの相互運用性を確保するための是正措置を求めることを発表した。これは、EUのデジタル市場法(DMA)に基づく措置で、Appleが自社エコシステムを優遇し、競争を阻害しているとの判断による。

デジタル市場法に基づく初の是正措置要求

EU競争政策担当のマルグレーテ・ベステアー副委員長(兼務)は声明で、「Appleは、自社のiPhoneエコシステムを優遇してきた。今日、我々はAppleに対し、競合他社がiPhoneの機能にアクセスできるようにするための具体的な措置を求める」と述べた。同副委員長はさらに、「これは、消費者により幅広い選択肢を提供し、イノベーションを促進するための重要な一歩だ」と強調した。

具体的には、Appleはサードパーティ製のスマートウォッチがiOSの通知機能やNFC機能にアクセスできるようにすること、また、競合のワイヤレスヘッドホンがiPhoneの音声アシスタント「Siri」と連携できるようにすることなどが求められる。これにより、ユーザーはApple製品以外のデバイスでもiPhoneとシームレスに連携できるようになる。

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意見公募と今後のスケジュール

欧州委員会は、この是正措置案について2025年3月9日まで意見公募を実施する。その後、最終決定を下す予定。Appleはこの措置に従わない場合、最大で全世界年間売上高の10%に相当する制裁金を科される可能性がある。Appleの2023年度の売上高は約3830億ドル(約58兆円)で、制裁金は最大383億ドル(約5.8兆円)に上る。

Appleはこれに対し、声明で「DMAはユーザーのプライバシーとセキュリティを脅かす可能性がある」と反論している。同社は「我々は、ユーザーのデータを保護するために設計された機能を、競合他社に強制的に開放することを懸念している」と述べた。

DMAの影響と今後の展望

DMAは、2024年3月に完全施行されたEUの新たな競争法で、巨大IT企業(ゲートキーパー)に対して、公正な競争環境を確保するための義務を課している。Appleは、iOS、App Store、SafariなどがDMAの対象となっている。既にAppleは、EU域内でのApp Storeの手数料体系を変更し、サードパーティのアプリストアを許可するなど、DMA遵守のための措置を講じている。

今回の相互運用性に関する是正措置は、DMAに基づく初めての本格的な執行措置となる。欧州委員会は、AppleがDMAに違反しているかどうかの調査も続けており、最終的な判断は2025年3月までに下される見通し。

アナリストは、この措置がAppleのエコシステム戦略に大きな影響を与える可能性があると指摘する。調査会社CCS Insightの主任アナリスト、ベン・ウッド氏は「Appleは、ハードウェアとソフトウェアの緊密な統合を強みとしてきた。今回の措置は、そのビジネスモデルに根本的な変化を迫るものだ」と分析する。

一方、消費者団体はこの動きを歓迎している。欧州消費者団体BEUCのディレクター、モニーク・ゴイエンス氏は「消費者は、Apple製品以外のデバイスでもiPhoneと同じように使えることを期待している。今回の決定は、消費者の選択肢を広げる正しい方向だ」と述べた。

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