半導体不足でEV生産が停滞、2025年まで影響か
半導体不足でEV生産停滞、2025年まで影響か

世界的な半導体不足が、電気自動車(EV)の生産に深刻な影響を及ぼしている。各自動車メーカーは生産調整を余儀なくされており、この供給制約は2025年まで続く可能性があると業界関係者は指摘する。

半導体不足の影響と各社の対応

半導体不足は、特にEVに搭載されるパワーマネジメント用半導体やセンサー類に集中しており、生産計画に大きな狂いが生じている。トヨタ自動車は2023年度のEV生産目標を引き下げ、日産自動車も一部モデルの生産を一時停止した。業界団体である日本自動車工業会は「半導体の安定調達が喫緊の課題」とし、政府に対してサプライチェーン強化を要請している。

2025年までの長期化見通し

半導体不足の長期化は、EV市場の成長を鈍化させる要因となっている。調査会社IHS Markitの予測によると、2024年の世界EV生産台数は当初計画より約15%減少する見込み。特に、車載半導体の製造には高い信頼性が求められるため、新規参入が難しく、供給回復には時間がかかる。ある半導体メーカーの幹部は「2025年後半まで需給の均衡は難しい」と語る。

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政府と業界の取り組み

日本政府は半導体戦略の一環として、国内生産拠点の拡充に乗り出した。経済産業省は2023年度補正予算で、車載半導体の研究開発に約5000億円を計上。また、TSMCの熊本工場など、海外メーカーとの連携も進める。自動車メーカー各社は、半導体の在庫積み増しや長期契約の締結など、調達リスクの分散を図っている。

一方で、半導体不足はEVだけでなく、従来型のガソリン車にも影響を及ぼしている。日本自動車工業会の調査では、2023年の国内自動車生産台数は半導体不足の影響で約50万台減少した。この状況は2024年も続く見通しで、各社は生産ラインの柔軟な運用を迫られている。

今後の展望

半導体不足の解消には、新たな生産能力の立ち上げが不可欠だ。しかし、工場建設から量産開始までに2〜3年を要するため、短期的な改善は見込みにくい。業界団体は「2025年以降、徐々に正常化に向かう」と予測する一方、地政学的リスクや需要の急増により、再び不足が生じる可能性も指摘している。

自動車業界は今、半導体調達の多様化とともに、自社開発へのシフトも進めている。トヨタは2025年までに車載半導体の内製化率を50%に引き上げる計画だ。こうした取り組みが、持続可能なEV生産の鍵を握ると言える。

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