タクシー大手のエムケイ(京都市南区)は、EVタクシーの充電用にバナジウムイオン電池を用いたエネルギー貯蔵システムを国内で初めて導入した。従来のリチウムイオン電池より発火リスクが低く耐久性が高いことが特徴で、電気料金の削減も見込めるという。
システムの概要と特徴
同社によると、導入したシステムは韓国・スタンダードエナジー社製で、高さ、幅、奥行きともに約3メートル。蓄電容量は75キロワット時で、急速充電器の出力は最大150キロワット時になる。
使用されるバナジウムイオン電池は、既存のリチウムイオン電池に比べて発火リスクが極めて低い次世代エネルギーとして注目される。また、リチウムイオン電池は寿命が約7年で3000~6000回の充電ができるが、バナジウムイオン電池は寿命が約15年で、約1万5000回の充電ができるという。
コスト削減と今後の展開
EVの急速充電は短時間で大量の電力を消費するため、電力網への負担や高い契約電力によるコスト増といった課題があり、複数台を同時に急速充電すると電気の基本料金が高騰する。実証実験では一部のEV充電に夜間などの電気料金が割安な時間帯にシステムへためた電力を使用。概算で基本料金を年間約20~25%(数百万円規模)削減できる見込みだ。
同社の京都府内でのタクシー認可台数882台(今年6月現在)のうちEVタクシーは258台でEV化率は29%。同社グループの持ち株会社「エムケイホールディングス(HD)」では令和12年までに全車両のEV化を目指しており、システム導入で充電効率を上げることが重要になる。本社でのシステムの実証実験を経て営業所などにも設置していく方針。
エムケイHDの金本達也副社長は「何でも初めてが好きで今回は先進的なシステムを導入することができた。安全で耐久性も高いこのシステムがエネルギー問題の解消に結びつき、日本に普及するきっかけになることを期待している」と話していた。



