日本赤十字看護大付属災害救護研究所は、熱を逃がす特殊な膜を使った新型の医療用テントを開発した。電気を使わずに内部の温度を従来より6~9度下げられ、夏場の災害救護などでの活用が期待される。
医療用テントの課題と新型テントの開発
医療用テントは、災害発生時に医療従事者がけがや病気をした人の治療などを行う活動拠点になる。ただ、夏場は内部が外気温より高くなり、空調に多くの電力を消費するのが課題だった。
特殊な膜の仕組みと実験結果
環境に優しい次世代テントを開発しようと、同研究所は、東京ドームの屋根などを手がける大型膜メーカー「太陽工業」(大阪市)と共同研究に着手。太陽の光を反射するとともに、表面で吸収した熱を放射する特殊な膜を製作した。自然界の放射冷却の原理を活用した素材が使われているという。
昨年7月の実験では、外気温が35・3度の時、従来テントでは内部が43・9度まで上がったのに対し、新型テントは34・8度にとどまった。同研究所の中出雅治・客員研究員は「近年の温暖化で熱中症のリスクは上がっている。熊本地震の被災地から要望があれば届けたい」と話している。



