EVシフト加速、2035年ガソリン車新車販売禁止へ:政府方針
EVシフト加速、2035年ガソリン車新車販売禁止

政府は、2035年までにガソリン車の新車販売を禁止する方針を正式に決定した。これは、温暖化ガス排出実質ゼロを目指す脱炭素社会の実現に向けた重要な一歩となる。経済産業省が中心となり、関係省庁と調整を進めてきた。

背景と目標

政府は2021年に策定した「グリーン成長戦略」で、2035年までに乗用車の新車販売を全て電動車(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、ハイブリッド車)とする目標を掲げていた。今回の決定は、この目標を具体化するもので、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を事実上禁止する。

経済産業省の担当官は、「自動車産業は日本の基幹産業であり、この変革は雇用やサプライチェーンに大きな影響を与えるが、国際的な競争力を維持するためには避けて通れない道だ」と述べている。欧州連合(EU)や米国カリフォルニア州など、主要市場でも同様の規制が導入されており、日本もそれに追随する形だ。

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業界の反応

自動車業界からは、肯定的な意見と懸念の声が上がっている。日本自動車工業会は「脱炭素化の方向性に賛同する一方、充電インフラの整備や車両価格の低減など、多くの課題がある」とコメント。特に、地方部での充電設備不足や、部品メーカーを含む中小企業への影響を懸念する声が強い。

ある自動車部品メーカーの幹部は、「エンジン部品の需要が急減するため、事業転換が急務。政府の支援策が不可欠だ」と指摘。一方、EVメーカーやバッテリー関連企業は、新たな市場拡大のチャンスと捉えている。

具体的なスケジュールと対象

禁止の対象は、ガソリン車とディーゼル車の新車販売。ただし、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)は電動車として認められ、販売が継続される。また、商用車については、技術的制約を考慮し、2035年以降も一部の車種で例外を認める方向で検討中だ。

政府は、2025年度までに充電インフラの整備目標を設定し、補助金制度の拡充を図る。さらに、バッテリーの国内生産拠点強化や、リサイクル技術の開発支援にも乗り出す。

国際的な動向と日本の立ち位置

EUは2035年までに実質的に内燃機関車の新車販売を禁止する方針で合意。米国では、カリフォルニア州が2035年までにガソリン車の新車販売を禁止する規制を導入しており、他の州も追随する可能性がある。中国も、2035年までに新車販売の50%以上を電動車とする目標を掲げている。

日本の自動車メーカーは、これまでHVで世界をリードしてきたが、EVへの移行では中国や欧米勢に遅れを取っている。トヨタ自動車は、EVに加えて水素エンジン車など複数の選択肢を模索。ホンダは、2040年までにEVとFCVのみの販売を目指すと表明している。

今後の課題

政府の目標達成には、充電インフラの整備が急務だ。現在、日本全国の充電器設置数は約3万基と、EV普及には不十分。また、電力供給の安定性や、再生可能エネルギーの拡大も課題となる。さらに、バッテリーの原材料調達において、中国への依存度が高いこともリスク要因だ。

自動車評論家の山田太郎氏は、「政府の目標は野心的だが、実現には産業界と行政の一層の連携が必要。特に、消費者がEVを購入しやすい環境を整えることが不可欠」と指摘する。

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